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氷壁の上から世界の果てを眺める

Posted February. 13, 2008 07:37,   

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「スポーツクライミングで生計を立てていくためにはどうすればいいのですか」

「世界一になればいいんですよ」

「わかりました。ならば世界一になってみせます」

大邱(テグ)パワークライミングセンターでロッククライミングのインストラクターをしている李ジョンオク氏(37)は03年末、シン・ユンソン氏(28、ノースフェイス・大邱パワークライミングセンター)と交わした会話を今も鮮明に憶えている。

平凡な女子大生だったシン氏が、趣味で岩壁登攀を習いたいとセンターを訪問してから、わずか数ヵ月後のことだった。シン氏は大学の山岳部員でもなかったし、それまで他の運動をした経験もないまったくの素人だった。それ以来、朝から夜遅くまで毎日岩壁を登り続けた。ふっくらとしていたシン氏の体も次第に筋肉質に変わって行った。

そして迎えた今月11日にルーマニア・ブステニで開かれる国際山岳連盟(UIAA)主催のアイスクライミングワールドカップ2次大会決勝。アイスクライミング大会では世界で最も権威ある同大会で、シン氏は遂に世界トップに立った。

女子の難度(難易度の高いコースを誰が最も高く登れるかを競う競技)部門を7位で予選通過したシン氏は同日、上位8人で競う決勝で、課題コースを一番高い地点まで登り、ロシアのベテラン、ナタリャ・クリコバをわずかな差で追い抜いて劇的な優勝を収めた。UIAAが主催する競争部門大会で韓国人が優勝したのは、男女を合わせてシン氏が初めてだ。

UIAAのホームページ(www.theuiaa.org)には、「シン・ユンソンは高難度氷壁をほとんど最後まで登り、ビッグサプライズを演出した」との解説が掲載された。シン氏は優勝が決まった瞬間、自分にも信じられないという表情で泣き出した。

シン氏がアイスクライミングを始めたのは05年初頭で、わずか3年の短期間にもかかわらず、06〜07シーズンでは、韓国では第一人者の座に上りつめた。UIAA氷壁ワールドカップには昨年から、国家代表の資格で参加している。昨年は初出場で5位の成績を収め、期待を集めた。

シン氏は21日から、スイス・サスピで開かれるワールドカップ3次大会にも出場し、ワールドカップシリーズ総合優勝に挑戦する。



kimsk@donga.com