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[オピニオン]企業寄りの国税庁

Posted January. 26, 2008 07:04,   

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国税庁の調査要員たちが大企業に押し寄せて、すべての帳簿を押収し、しらみつぶしに調査を行う。調査の理由も、「脱税容疑」としかわからない。社員たちは仕事の手をとめ、震えるばかり。税務調査のなかで最も恐いという、「特別(深層)税務調査」を受ける企業の風景だ。賭博ゲーム機「パダイヤギ(海物語)」のように社会的な物議をかもしたり、脱税の通報があったりした場合や、長期にわたる分析の結果、「脱税の疑いが濃く、故意で悪質な」ケースがその対象となるが、かつては政治的な報復のための調査も少なくなかった。

◆税務調査を受ける企業は瀕死の状態になる。「課せられる」税の規模を試算しようと、調査要員の機嫌をうかがう。追徴額の「ディール(取引)」も行われる。2年前、税務調査に苦しめられたある中小企業の代表は、脱税をつかめなかった調査要員たちが、別件を探すといってずるずる引きのばしたため、余計に苦労した」と話し、「結局、『国税庁サイドの目標額』に合わせる形で妥協した」と不満をぶちまける。調査要員たちが食事の接待を断るのは、かつてとは違う点だが、行きあたりばったりの調査は依然変わらないという。

◆企業には、国税庁の「気まぐれ」がおそろしい。過剰な税務調査や税収目標を達成するための年末の割り当て式の徴収、記帳を勧めながら、帳簿よりも業種の平均値のほうを信用する税務署中心の仕事ぶりなどだ。このような横暴を経験すれば、生産や営業の現場で懸命に働く気がすっかりうせてしまうという。企業にとっては、金融や労務に劣らぬほどの税務リスクも大きい。韓相律(ハン・サンリュル)国税庁長は年明けに、李明博(イ・ミョンバク)次期政府の「企業寄り」の歩調に合わせて税務調査を減らすと発表したが、各企業では実感がわかない様子だ。

◆韓庁長は24日、課税の是非について、企業の質疑に法的拘束力のある答弁を行う「事前答弁制」を導入すると発表した。金大中(キム・デジュン)政府がマスコミへの「報復」税務調査のさいに使った手口を、ようやくやめるという意味だ。当時、国税庁は一部のメディアが税務署の返信内容どおりに会計処理したことについても脱税容疑を適用したが、ほとんど敗訴した。脱税企業に目をつぶるのではなく、国税庁が政権の使い走りの役割を拒み、本業を公明正大に行うならば、それこそが企業寄りの税務となる。

洪權熹(ホン・グォンヒ)論説委員 konihong@donga.com