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[オピニオン]プエブロ号とニューヨーク・フィル

[オピニオン]プエブロ号とニューヨーク・フィル

Posted January. 25, 2008 08:15,   

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1968年1月23日、東海(トンヘ、日本名=日本海)上を偵察中だった米海軍プエブロ号が元山(ウォンサン)港でだ捕された。金新朝(キム・シンジョ)など武装共産軍の大統領襲撃未遂事件が起こった2日後だった。そのため23日は、プエブロ号だ捕40周年になる日だった。プエブロ号は現在、平壌(ピョンヤン)の大同川(テドンガン)の辺に「対米戦勝記念物」として展示されている。122年前の1886年に開放を要求した米国の商船ジェネラル・シャーマン号が、朝鮮の鎖国政策によって撃沈されたまさにその場所だ。北朝鮮の「朝鮮歴史」は、「朝鮮人民の初の反米闘争であるジェネラル・シャーマン号事件は、金日成(キム・イルソン)の曽祖父・金ウンウが率いた」と歪曲して記述している。

◆当時、リンドン・ジョンソン米政府は、直ちに極東米空軍に非常出撃待機命令を下し、核空母エンタープライズを元山近海に派遣した。米朝は翌日の板門店(パンムンジョム)軍事休戦委員会で、だ捕された場所が公海か領海かをめぐり舌戦を繰り広げたが、結論は出なかった。結局、秘密交渉の末、北朝鮮の勝利となった。乗務員82人と遺体1体を返還する代わりに、領海侵犯を認める覚書と謝罪を取りつけたのだ。

◆北朝鮮住民に対米抗戦意識を鼓吹する展示物として使われるプエブロ号が、近く北朝鮮核問題の解決と米朝関係の発展のためのシンボルになりそうだ。02年4月の訪朝時、金桂寛(キム・ゲグァン)外務次官に船体の返還を提案したドナルド・グレッグ元駐韓米国大使は23日、マスコミとのインタビューで返還を再度求めた。グレッグ元大使は、「プエブロ号を返還するなら、両国が敵対関係を改め、新しい方向に進むだろう」と述べた。米上下院も05年2月と昨年1月に返還要求決議案を出している。

◆北朝鮮はすでに、ニューヨークのフィルハーモニックの来月26日の平壌公演を受け入れている。このほかに、ブッシュ米大統領が昨年末、金正日(キム・ジョンイル)総書記に親書を送った。暖気流が双方向に流れる好機に、プエブロ号の返還は米朝関係を開く突破口になりうる。北朝鮮としては、プエブロ号を返還することで対米関係を改善し、国際社会の認識を変える方が実用的な選択になるだろう。

陸貞洙(ユク・チョンス)論説委員 sooya@donga.com