Go to contents

選挙で後回しの韓米FTA批准…来月の国会が最後のチャンス

選挙で後回しの韓米FTA批准…来月の国会が最後のチャンス

Posted January. 22, 2008 07:17,   

한국어

●「長年の努力が台無しに?」高まる危機感

韓米FTAを発効させるためには、韓国が今月28日から1ヵ月間開かれる臨時国会で、米国より先に批准案を可決すべきであるというのが、大半の専門家たちの見解だ。

もちろん、4月9日の総選挙後に新しく構成される国会での可決も考えられるが、その場合は、米国の方が問題だ。米国は今年11月の大統領選を控えて、8月から民主党と共和党の党大会が相次いで開かれるなど、本格的な選挙体制に入り、批准案の処理は事実上不可能な状態になるからだ。

したがって、遅くても7月までには、米議会は批准案を可決・成立させなければならず、処理期限(会期日の基準では90日)を考慮すれば、米政府は3月中には批准案を議会に提出しなければならない。このため、韓国は2月に先に批准を終えて、米国を圧迫する必要があるというわけだ。

もし、米国が大統領選まで批准案を可決しないまま選挙で民主党候補が当選した場合、状況はさらに複雑になる。民主党の有力候補であるヒラリー・クリントン上院議員とオバマ上院議員はいずれも、韓米FTAに強く反対しているからだ。

状況が緊迫化してくると、韓国政府内でも「このまま行けば、努力が水の泡となりかねない」という危機感が漂っている。

FTA国内対策本部のユン・ヨンギュ団長は、「これまで、国会への説明やメディアへの広報を数十回にわたって行っており、実務者たちもほぼ毎週のように個別的に議員たちを説得して、ようやく批准案提出に漕ぎ着けた」とし、「もし、批准案が通過できないまま新国会が発足することになれば、これまでの全過程を最初からやり直さなければならない」と話した。

政府のある関係者は、「批准案が第18代国会に持ち越されれば、厳しい状況に陥るだろう」とし、「交渉そのものが丸ごと白紙化されることもありうるという懸念が持ち上がっている」と語った。

●見合わせや白紙化なら、韓国経済には大ダメージ

中央(チュンアン)大学の安忠榮(アン・チュンヨン)碩座教授は、「韓米FTAの発効が見合わされたり白紙化となれば、韓国経済や外国への信用度、対米関係などに決定的な悪影響を及ぼすだろう」とし、「先進国型の開放通商国家を目指すという政府政策の基本的な枠組みも崩れかねない」と指摘した。

大韓商工会議所は、昨年にまとめた報告書で「国策研究機関が分析した韓米FTAの経済効果をもとに計算すれば、批准が1年遅れるたびに、韓国経済は15兆2000億ウォンずつの機会費用を払わされることになる」と試算した。批准が遅れるほど、米国市場の関税撤廃による輸出増大の効果や消費者厚生などでの膨大な経済効果の実現も同じように遅れることになるという意味だ。

また、批准が遅れれば、次期政権は国政の枠組みを作る政権初期の重要な時間を、FTA批准のため、国会との政治交渉に費やさざる得なくなる。交渉を進めているほかの地域とのFTAも同様に、推進力を失う恐れがある。

対外経済政策研究院(KIEP)の崔洛均(チェ・ナギュン)主任研究委員は、「韓国とFTAを締結しようとする国々は、米国進出の足がかりとして韓国を選ぶ面もある」とし、「交渉だけしておいて、いざとなって批准ができなくなれば、欧州連合(EU)などの相手地域や国はおのずと韓国の交渉への意志を疑うことになるだろう」と分析した。

これを受けて、経済界では最近、韓米FTAの速やかな批准を促す声が高まっている。全国経済人連合会の趙錫來(チョ・ソクレ)会長や韓国貿易協会の李熙範(イ・ヒボム)会長など、FTA民間対策委員会共同委員長たちは14日、国会を訪問し、各党の代表たちを会見した席で、「韓国が先に批准すれば、米国議会を説得しやすい」として今会期内での批准案の処理を求めた。

さらに、最近ハワイで開かれた韓米財界会議でも両国の経済人たちは、「韓米議会はFTAを、今年の上半期内に批准すべきだ」という内容の共同声明を発表した。

●牛肉輸入問題も早急解決を

韓米FTAの批准においてのもう一つの障害は、米国産牛肉の輸入開放問題だ。韓国は現在、生後30ヵ月未満の牛肉の輸入のみを認めているが、米国は「韓国が牛肉市場を完全に開放してこそ、韓米FTAの批准案は米国議会で可決されるだろう」と迫っている。

米国にとって、牛肉市場は韓国の市場開放への意志を示す確固たるシンボルとなっている。さらに、批准案が必ず経なければならない米上院財政委員会議の議長は、モンテナ州のマクス・バウクス上院議員だ。モンテナ州は米国内の牛肉大量生産地域である「ビーフベルト(beef belt)」地域。モンテナ州のほかにも牛肉は全米で生産されており、牛肉市場の未開放のまま、米議会でのFTA批准を期待するのは不可能に近いのが現状だ。

これを受けて大統領職引継ぎ委員会も、この問題の解決のための対策作りに取り掛かっているが、状況は簡単ではない。

農林部は最近の引継ぎ委での業務報告で、「動物性飼料の禁止」という但し書きをつければ、30ヵ月未満という月齢制限を解決できるという案を提示した。しかし、米国が自国業界の反発を抑えてまで、これを受け入れるとは期待できないという見方が強い。

韓米両国が牛肉市場開放問題について、より柔軟な態度で、高官レベルの対話を再開し、突破口を見出すべきだと、専門家たちは一様に促している。



jarrett@donga.com higgledy@donga.com