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[社説]泰安に集った力、国民統合のエネルギーに

[社説]泰安に集った力、国民統合のエネルギーに

Posted December. 24, 2007 06:27,   

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タンカーからの原油流出事故から17日目を迎えた昨日まで、忠鋻南道泰安(チュンチョンナムド・テアン)の海岸を訪れたボランティアが30万人を超えた。住民やボランティアは力を合わせ、160キロに及ぶ海岸を覆っていた油のカスを一つ一つ手でふき取り、真っ黒な油の帯に覆われていた砂浜が元の姿を取り戻しつつある。世界の防災専門家たちが「驚くべき協力精神」と称えるに値する出来事だ。

誰からやらされたわけでも、金をもらったわけでもないのに、約半月の間にこれだけ多くの国民がボランティアの列に加わったのは、世界のどの国でも見られない光景だ。ボランティアは年齢や職業、出身地域や支持した大統領選挙候補はそれぞれ異なるが、海を蘇らせ、被災地の住民たちを助けようとする一念でひとつになった。油のついた石をひとつでも多くきれいにふき取り、生き物をひとつでも多く生かすために一丸となり、冬の海で汗を流したのだ。

1997年、通貨危機に見舞われたさいには、前例のない「金の回収運動」で世界を驚かせた韓国国民だ。若い世代であるほど、共同体意識よりも個人のエゴが強いといわれているが、国家的な災難の前では違うことを、今回の出来事ではっきり示した。膨大な人命や財産を失った00年の江陵(カンヌン)・襄陽(ヤンヤン)の山火事や、02年の台風「ルサ」、03年の台風「メミ」の災害の際も、すべての国民が一丸となり、貯金箱を壊してまでボランティア活動を行った。このような力が、被災地住民の復興に大きく役立ったことはいうまでもない。

絶え間なく続く泰安のボランティアの列は、国民統合さえ成し遂げれば果たせない奇跡はないことを物語る。候補や支持者らが敵味方に分かれて戦った大統領選挙もすでに終わった。旧年の対立を振り払い、新年の希望に胸を高鳴らせる時が来ている。来年は新政府が帆を掲げてスタートする。支持した人も、支持しなかった人も、いまや先進国の大韓民国を創造する国家的な課題の前では、一丸となるべきだ。

泰安ボランティアが示した国民統合の奇跡を国運上昇のエネルギーとして引き出すことは、新しい政治リーダーに託された課題だ。