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「油膜以上に恐ろしい2次汚染源も解決せねば」 泰安原油流出事故

「油膜以上に恐ろしい2次汚染源も解決せねば」 泰安原油流出事故

Posted December. 13, 2007 03:07,   

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泰安(テアン)沖原油流出事故で発生する恐れがある様々な2次環境汚染の被害と近隣の動植物への被害など、中・長期的に深刻な後遺症が憂慮される。

油膜を除去した後も、「オイルボール」と油除去剤、揮発性有機化学物、重金属、除去用品などによって2次被害が現れる可能性が高いためだ。

環境運動連合パダ委員会の崔礼鎔(チェ・イェヨン)副委員長は、「1995年のシープリンス号事故の経験から、目に見える油膜だけを除去して作業を終わらせるのではなく、徹底的な作業が必要だ」と述べた。

●オイルボール、油除去剤の処理問題が深刻

環境専門家たちが最も憂慮するのは、油膜を除去した後に海に残るオイルボールだ。

原油の揮発性物質が抜けて重い成分が固まってできるオイルボールは、長い間、海を浮流する。そのため、魚や海藻類は死に、プランクトンは汚染され、食物連鎖が破壊される。

このようなオイルボールを、現在のところ、適切に処理する方法がないのが問題だ。

油除去剤も、2次汚染の主犯の一つとして数えられる。環境運動連合は12日、「政府が航空機やヘリコプターまで投入した油除去剤の散布を中止すべきだ」と主張した。

油除去剤は、油をなくすのではなく油分と水が混ざらないようにする化学薬品で、毒性がある。この薬品を使えば、表面的には油膜は減るが、実際は汚染物質が海にそのまま残り、いつか再び海岸に流れ着く恐れがあるということだ。

にもかかわらず、油除去剤を使う理由は、吸着材よりも費用が安く、散布後ただちに油膜が除去され、短時間で効果が現れるためだ。

使用済みの吸着材など除去用品をむやみに捨てたり焼却したりすることも、2次環境汚染を誘発する恐れがある。大気汚染とともに、雨が降って廃棄物が洗い流され、被害地域を拡大する恐れがある。

環境部関係者は、「原油を吸い込む吸着材をむやみに焼却してはいけない」と訴えた。

●住民、ボランティアの健康被害が憂慮

住民と除去作業に参加するボランティアたちの安全も問題だ。

油や油除去剤に接触して、ひどい頭痛や呼吸困難の症状を訴えるなど、はやくも後遺症が現れている。泰安保健医療院は、175人が頭痛や吐き気、眼の痛みなどを訴えて、作業場近くに配置された救急車で薬を受け取ったと明らかにした。

忠清南道(チュンチョンナムド)泰安郡一帯で医療ボランティアをしている吉(キル)病院のノ・ヒョングン教授(毒性専門呼吸器内科専門医)は、「炭化水素系有毒物質を含む油のにおいが、中枢神経系や気管支にも影響を与え、呼吸困難などの症状につながる恐れがある」と語った。

ノ教授は、「油のにおいに長期間露出する場合、感覚異常、運動障害、肺炎、気管支炎などの後遺症が残る恐れがある。特に、地域住民は後遺症が残らないように専門医に診断を受ける必要がある」と話した。

●天然記念物、自然環境被害の長期化

泰安郡と近隣の瑞山(ソサン)市の天然記念動植物も被害を受けるものと憂慮されている。同地域には、天然記念物413号の新斗里(シンドゥリ)砂丘と、天然記念植物の宝庫である千里浦(チョルリポ)樹木園、アジア最大の渡り鳥の渡来地である浅水(チョンス)湾がある。

新斗里砂丘の浜辺側の砂浜にはすでに油が漂着している。環境連合のイム・ヒジャ幹事は、「油を含む砂が砂丘に混ざれば、天然記念動植物が大きな被害を受ける」と話した。

新斗里砂丘は、全国最大のハマナスの群落地であるだけでなく、砂丘内には、海浜植物のコウボウムギ、スナビキソウ、ハマエンドウ、ヒョウトカゲ、ヒバリ、ジムグリガエルなどの動植物が棲息している。

国内初の民間樹木園として米国など60ヵ国から取り寄せた約1万3000種の天然記念植物がある千里浦樹木園も非常事態になった。同樹木園のチェ・チャンホ植物資源事業チーム長は、「油のにおいが徐々にひどくなっている。空気中の油成分が植物の葉の気孔に入れば、深刻な被害が予想される」と話した。