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米、「中南米ヘゲモニー」消える

Posted December. 06, 2007 08:32,   

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中南米地域に対する米国の影響力が急速に退潮している。

米国が、9・11テロ後にテロとの戦いに集中するため、中南米地域に気を配る余裕がなかった隙に、中国やロシアだけでなくアジアの国々が中南米国家と関係改善に積極的に乗り出したためだ。

しかしさらに遡れば、90年代以来、自由貿易と開放政策を旗印に掲げた米国の新自由主義政策が、中南米経済に否定的な影響を及ぼし、米国はすでに伝統的な「裏庭」を失い始めたという指摘が出ている。そのうえ、最近浮上した左派政権の反米主義も一役買っている。

このような米国の影響力退潮をめぐり、米誌『タイム』最新号(10日付)は、米国が中南米でのヘゲモニーを掌握するために2世紀以上維持してきた「モンロー主義」は、もはや完全に消えたと診断した。

●中南米で小さくなる米国

米国は、今はまだ中南米の最大貿易国だが、中国、ロシア、イランが中南米市場の開拓に乗り出して外交関係を樹立したことで、様相が変わりつつある。さらに、北朝鮮も最近数週間の間に、グァテマラ、ドミニカ共和国と外交関係を樹立した。

特に、中国の動きが注目される。胡錦涛国家主席は04年11月に中南米を歴訪し、10年間で1000億ドルの投資を約束した。まだ投資が本格化されていないが、チリの銅、ブラジルの鉄鉱石、アルゼンチンの豆に対する中国の「欲」は想像を超える。

イランのアフマディネジャド大統領は、この1年間で中南米を3度も訪れ、約10件の相互協力を約束した。ロシアは昨年、ベネズエラに30億ドル規模の武器を販売した。

このような気流に対して専門家たちは、「モンロー主義によって20世紀初めには、中南米の友好国の独裁者を支援するために軍隊を送るほどだった米国の影響力は、今や昔話になった」と指摘した。

●南米の独自行動を強化

中南米国家の声も大きくなり始めた。特に、米国が主導した新自由主義政策で病んでいた中南米に、ポピュリズムと実用主義を掲げた政権が続々と登場し、米国は中南米輸出市場まで失いつつある。

中南米の左派社会主義圏の首脳たちの反米路線は、組織化の段階に入っている。

先月10日、チリのサンティエゴでは、ベネズエラのチャベス大統領、ボリビアのモラレス大統領ら左派首脳が、いわゆる「人民首脳会談」を開き、反米連帯と地域協力問題はもとより、米州機構(OAS)に取って代わる新たな機構の創設を話し合った。

またブラジル、ベネズエラ、エクアドルなどの新興エネルギー強国は、新自由主義政策の尖兵である国際通貨基金(IMF)、世界銀行などの国際金融機関からの独立を図っている。中南米7ヵ国首脳は9日、南米銀行を公式発足させる計画だ。

●米国の容易ではない挽回の努力

米国は、テロとの戦い後、中南米で「失われた時間」の回復に焦点を置こうと考えているが、容易ではなさそうだ。

ブッシュ米大統領は4日の記者会見で、チャベス大統領のベネズエラ改憲の試みが失敗したことについて、「米国は『ベネズエラ効果』の脈絡で、南米に変化をもたらすことができる」と述べた。中南米に対する影響力の綱を取り戻そうという意思と解釈される。

しかし、中南米国家の反米感情を好転させるには力不足というのが大方の指摘だ。タイム誌は、「ブッシュ政府の民主主義の拡散政策とは異なる道を歩む中南米国家の現実を見れば、墓の中のモンロー大統領も背を向けたい心情だろう」と伝えた。



spear@donga.com