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[オピニオン]万能細胞

Posted December. 05, 2007 08:27,   

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これまで胚性幹細胞(ES細胞)は卵子を使うのが問題だった。求めるのも困難なうえ、生命倫理問題まで重なった。最近、日本と米国で卵子の代わりに皮膚細胞を使う実験が相次いで成功し、科学界を興奮させたのもそのためだ。日本の京都大学は30代の白人女性の顔の皮膚細胞から、米ウィスコンシン大学は赤ん坊の皮膚細胞から、それぞれ幹細胞を培養することに成功した。他人の受精卵ではなく、患者自身の遺伝子細胞を使うため、移植に拒否反応がなく、さらに適切だ。

◆限界はあった。培養の過程で発ガンの懸念のある遺伝子を使わなければならないため、ガンが発病する可能性が高くなるという点だった。日本のチームは、この最後の難題まで解決して、ガンの発病を顕著に減らせる新しい培養技術を開発したと、1日、発表した。ノーベル賞候補はもちろん、ライト兄弟による動力飛行機の発明とも肩を並べる成果だという評価も出た。

◆すべての細胞は分裂増殖しながら育つ間、各組職の特性を持つようになるいわゆる分化の過程を経る。生物の細胞や組織はそれぞれに与えられた仕事を随行するために形や機能が変化していくわけだ。例えば、受精卵という細胞は骨、心臓、皮膚など多様な組織細胞に分化する。幹細胞は、適切な条件さえ満たされれば生体を構成する全ての組織に分化できるとして、「万能細胞」と呼ばれる。黄禹錫(ファン・ウソク)博士が作ろうとした、まさにその細胞だ。ただし、卵子を使わず倫理議論のない皮膚細胞を用いたため、「自然万能細胞」と区別して「人口万能細胞(iPS)」という。

◆京都大学の成功の陰には、日本政府の「選択と集中」支援戦略が合致したという裏話が聞こえる。日本政府は研究費の大学別の均衡支援が非効率的だと判断して、再生医療分野で一番進んでいる京都大学にこの分野の支援金を集中的に支援した。5年間70億円(約580億ウォン)規模だ。我々はことあるごとに均衡と平等を取り上げるのだが、「選択と集中」なしにうまくいくことはほとんどない。「分かち合い」の支援で、世界的な研究成果を出せず、脱落した大学は不満をぶつける頭脳韓国(BK)21事業もその例だ。

許文明(ホ・ムンミョン)論説委員 angelhuh@donga.com