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拡大する経済協力のばらまき、深まる財界の懸念

拡大する経済協力のばらまき、深まる財界の懸念

Posted September. 29, 2007 03:43,   

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近ごろ財界では、来月初旬に予定される南北首脳会談を控え、大っぴらには言えないものの、懸念が深まっている。とりわけ、現政権と金大中(キム・デジュン)前大統領サイドが北朝鮮への経済協力策に関連する各種アイデアを量産し、多くの企業家が負担を感じている。残り少ない任期の現政権が北朝鮮に対し、経済論理を考えず、ややもすれば事後処理不能なレベルの経済協力を約束すれば、次期政府はもちろん、関係企業としても後遺症は大きいと見ているからだ。

現在、政府内外では、北朝鮮・黄海道海州(ファンヘド・ヘジュ)と平安南道南浦(ピョンアンナムド・ナムポ)などの地域に、第2の開城(ケソン)工業団地を建設する案をはじめ、△道路・港湾・通信などインフラ建設への支援、△電気などエネルギー支援、△造林事業への支援、△「セマウル運動(韓国の農村近代化運動で、70年以降勤勉・自助・協同をスローガンに国民的運動として推進された)」への支援など、ばく大な資金が必要とされる各種の北朝鮮関連経済協力策が取りあげられているとされる。

財界関係者は「政府が今回の首脳会談で、もし冷静さを失い『とにかく助ける方式』で大規模な北朝鮮への支援事業に合意すれば、その費用は結局企業と国民の負担にならざるをえない」とし、「それによって韓国社会に新しい対立が招かれかねない」と懸念を示した。

また、金大中前政権時代に政権と連携して無理な北朝鮮関連事業を展開し、一時、事実上倒産直前まで追い込まれた現代(ヒョンデ)グループの苦い経験からも分かるように、企業が経済性を無視し、収益性の低い経済協力に巻き込まれれば、ともすれば関連企業が決定的な危険に直面しかねないという点も、財界としては負担になる。

北朝鮮関連経済協力の拡大が、企業経営に直接的な影響を及ぼしかねない、という見方もある。とりわけ、米朝関係が改善されていない状況で、米国が敵視する北朝鮮との経済協力を拡大すれば、関連企業に投資する外国人投資家に否定的なシグナルを送ることになりうる、との見解が示されている。

一部では、北朝鮮関連経済協力の拡大が、韓国企業の主な輸出市場である米国の消費者心理を刺激し、製品の販売に否定的な影響を及ぼしかねない、という観測も出ている。

デリケートな戦略物資が多い電子・情報技術(IT)業界では、北朝鮮が「テロ支援国家」に分類されている状況で南北経済協力を拡大すれば、国際社会での不利益につながりうる、と懸念する声もあがっている。

大韓商工会議所・南北経済協力委員長の朴英和(パク・ヨンファ)三星(サムスン)電子顧問は今年8月、与党「ヨルリン・ウリ党」の北東アジア平和委員会との懇談会で「北朝鮮は(テロ支援国家に対する制裁を含む)『通常兵器および関連汎用品・技術の輸出管理に関するワッセナー・アレンジメント』により、物資の持ち出しに制約があり、輸出で特別な関税をかけることもできない」と指摘する。

財界関係者は、現政権が任期末に「イベント性」の成果に汲々とするよりも、長期的な観点から南北経済協力に取り組むべきだと強調する。特に、採算の合わない事業に加わるよう、無理やり企業に圧力をかけることはやめるべきだと口をそろえる。

国際社会が抱く各種の憂慮を払拭できるよう、ひとまず核問題など政治的な不安要因を解消した後、港湾・道路・電気・用水など各種のインフラを確保し、それ以降に投資安全の保障など細部の問題を解決してこそ、本格的な経済協力の拡大が可能だという説明だ。

1990年代半ばに南北経済協力を進めた三星電子の関係者は「当時、北朝鮮に家電の生産ラインを建設することを決め、北朝鮮当局に1日の物流移動が可能な地域(平壌南方)に用地を提供し電気・用水を安定的に供給することなど、いくつかの条件を要求したが、受け入れられなかった」とし、「そうした状況では、やりたくてもできないのが南北経済協力」と話す。



bae2150@donga.com