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入る隙のない韓国はどこに…

Posted September. 07, 2007 08:14,   

한국어

「行く先が異なる列車が予想よりも速く動いている。列車がゆっくりエンジンをかければ、どこに行くかを見計らって乗るか乗らないか決めればいいが、このように速く動けば、行く先を決められない人は当惑せざるをえない」

米ワシントンのあるシンクタンク関係者は6日、アジア・太平洋地域の安保構図の急速な変化の中で、韓国が直面する状況をこのように比喩した。

一方では、米国・日本・オーストラリアのトライアングル安保体制が確固となり、他方では、中国・ロシア・中央アジアが軍事協力を強化する「海洋勢力vs大陸勢力の競争構図」が急速に形成され、韓国が困難な選択の岐路に立たされているということだ。

韓国政府が、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が05年3月に主唱した「北東アジア・バランサー論」の枠組み内でのみ思考する場合、能動的な対応が難しいという指摘も出ている。

▲「海洋勢力vs大陸勢力」構図の形成〓自転車マニアのブッシュ米大統領は、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議への参加のために、オーストラリアのシドニーを訪れた5日、近隣の国立公園でマウンテンバイクに乗った。オーストラリアのハワード首相も同行した。両首脳は、シドニー港でクルーズも楽しみ、夕食もともにした。

一日中演出された「格別な友情」ムードの中で、ブッシュ大統領は、米国の先端兵器技術をオーストラリアに提供することを約束し、ハワード首相は、オーストラリア内に米国のアジア地域救援物資および人力供給基地を提供することを提案した。

8日には、これに日本の安倍晋三首相が加わり、初の米・日・豪3国首脳会談が開かれる。

主要案件はむろん、トライアングル安保体制の堅固化だ。日本政府は、3国首脳会談の定例化を提案する考えだ。

インド洋では、3国の海軍が、インド、シンガポールの海軍とともに、4日から合同軍事演習を実施している。3隻の空母と戦艦25隻、戦闘機約100機が動員されたインド洋地域の史上最大の演習だ。

伝統的に、海洋勢力に分類されるこれらの国家の動きに対抗して、大陸勢力である中国とロシアは、中央アジア4ヵ国とともに、先月9日から17日、ロシアのウラル山脈のふもとで大規模な合同軍事演習を実施した。

▲韓国は見えない?〓複数の外交筋は6日、「今回のインド洋合同軍事演習の準備過程で、米国と日本は、韓国に参加の意思を打診しなかった」と明らかにした。さらに、米日豪トライアングル安保体制樹立の過程でも、韓国に参加の意思を打診しなかったと伝えた。

今回のインド洋演習の公式目的は、世界貿易の30%、石油輸送量の4分の1が往来するマラッカ海峡での海賊船の動きを阻止し、大量破壊兵器の遮断演習を実施することだ。韓国も、マラッカ海峡の安全に経済の死活がかかっており、参加の名分はあったというのが、専門家たちの分析だ。

韓国政府関係者は、「(トライアングル安保体制への参加の要請がないのは)韓米、韓日関係が疎遠だからではなく、今はトライアングル同盟を堅固化することが急務と考えるため、韓国、カナダなど他国を引き入れる問題は考えていないからだ」と説明した。

また、別のある関係者は、「韓国政府の基本スタンスは『もっと時間をかけて見守る』ということだ」と明らかにした。

むろん政府内には、「中国政府の非民主的属性、地域大国としての歴史的行動様式などを考慮すると、韓国の生存のためには、米国だけが解決策だ」という意見が少なくない。しかし、そのような意見は、公にできないムードだ。

05年3月に盧武鉉大統領が提唱した北東アジア・バランサー論が依然として強力な枠組みに位置しているためだ。中国を狙った安保体制構築に参加することは実益がないという意見も依然として強い。

しかし、ヘリテージ財団のブルックス上級研究員は6日、報告書を通じて、「中国の行動が完全には予測不可能なので、考えの合う民主国家が、政治・経済・安保イシューで協力し、新たな安保秩序を構築することは当然のことだ」と述べた。

どの方向が正しいかを別にして、問題は安保構図の再編の速度が予想より早まっているという点だ。

ある政府関係者は、「今年上旬までは、トライアングル体制の堅固化に時間がかかり、インドの参加はかなり低い水準で進められるものと予想された。韓国としては、特別にすることはなく、基本的に歓迎するという方針だったが、急に速度が早まっている」と述べた。



sechepa@donga.com srkim@donga.com