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[オピニオン]首相訓令

Posted August. 31, 2007 08:01,   

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法の世界にも厳格な位階秩序がある。頂点に憲法があり、その下に法律、施行令(大統領令)、施行規則が位置している。このほかに、行政府組職を指揮監督するための内部指針として、首相訓令がある。上下秩序に反する下位法は、憲法裁判所によって違憲判決を受け、効力を失うことになる。その中でも首相訓令は、対外的な拘束力がない。一般国民の権利義務と関連する事項は、首相訓令で規定できない事項である。

◆しかし現政権は、法世界のこのような秩序を公然と破る動きを見せている。首相訓令で、憲法的価値である言論の自由を様々な形態で統制しようとするのがそれだ。後進国の法学者も笑う事態である。さらにその先鋒に、判事・弁護士の経歴を持つ法律家出身の大統領がいるという事実には、呆れるほかない。大統領の前で、金蒼浩(キム・チャンホ)国政広報処長が、「取材支援に関する基準案」という首相訓令をこねくり回し、剣舞を舞っている格好だ。「取材支援」の仮面をかぶった「統制基準」にすぎない。

◆問題の首相訓令第11条第1項は、「公務員の言論取材支援は、広報担当部署と協議しなければならない」、第2項は、「(中略)事後に政策広報部署に通告する」となっている。同規定が、今マスコミと対立をもたらしている取材報道ソースの封鎖の根拠となる毒素条項だ。広報処はそのうえ、各省庁の記者室の閉鎖(合同ブリーフィングルームの使用)に協力すれば、まるでマスコミに恩恵を与えるかのように、同条項に対する「協議案」まで発表した。言論の自由を駆け引きする交渉とは、とんでもないことだ。首相訓令や恣意の問題ではない。

◆言論の自由は、元来国民のものである。政府がアメを与えるように分け与えるものではない。これは「基本権中の基本権」であり、自由民主主義を達成するための核心的な要素である。米国の修正憲法第1条が、言論の自由を「不可侵の権利」と釘を刺したのも、そのような理由からだ。このような首相訓令は、当然のごとく違憲である。内閣を総括する韓悳洙(ハン・ドクス)首相は、自分の職がけがされているにもかかわらず、どこで何をしているのか。いつまで「竜飛御天歌(朝鮮・世宗王時代に、王の業績を称えた楽章の一つ)」を歌うつもりなのか。

陸貞洙(ユク・ジョンス)論説委員 sooya@donga.com