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[オピニオン]紫禁城のスターバックス撤退

[オピニオン]紫禁城のスターバックス撤退

Posted July. 17, 2007 03:16,   

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中国人は、よほどのことがないかぎり外国の商標をそのまま使うことがない。ファミリーレストランの「T・G・Iフライデーズ」は、「金曜日」という意味を生かし、星期五餐廳と呼ぶ。「金曜日レストラン」という意味だ。ケンタッキー・フライド・チキンの「ケンタッキー」は肯徳基(kendeji)と呼ぶ。米国のコーヒー専門店スターバックスは「星巴克(XingbaKe)」だ。「スター」から星という意味を、「バックス」から「バケ」という発音を借用している。お茶を飲む中国でコーヒー専門店が果たして成功できるかという懐疑的な見方を尻目に、スターバックスは1999年中国進出に成功した。

◆中国内のスターバックスが230店舗に増えている中、北京の紫禁城内のスターバックス店が伝統文化を傷つけるという中国のネットユーザーたちの世論に押され、閉鎖に追い込まれたという。この撤退運動は、今年1月、ある放送人が自分のブログに「スターバックスが中国の伝統文化の精髄といわれる紫禁城にそぐわない」と書いたことが導火線となった。トーマス・フリードマンの「レクサス(グローバリゼーション)とオリーブの木(自主性)」を思い出させる。

◆ネットユーザーは、「清末の8連合国の圓明園(北京にある『皇帝の庭園』)」の破壊と英仏連合軍の紫禁城略奪に関する記憶がいまだ鮮明なのに、多国籍企業の「走狗」であるスターバックスとはもってのほかだ」と撤退に加わった。今回の措置で多数の中国人は国のプライドを取り戻したと歓迎する様子だ。ところが、正当な理由なく外資系企業を閉鎖させたことから、中国に対する国際社会の信頼を低下させており、外資系企業は不安を募らせている。

◆中国のナショナリズムは、最近米中間で行われた貿易戦争でも頭をもたげた。米国が中国産製品、とくに食品の安全性を問題視するや、中国は米国の7社の冷凍家禽類から食品添加物と細菌が検出されたとし、輸入中断措置をとった。米国製の携帯電話の安全性問題も持ち出した。自国産製品の欠陥をごまかすための巻き返し作戦の思惑が垣間見られる。この手の対応の仕方は、すでに世界4位の経済大国となった中国にはあまりふさわしくなさそうだ。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com