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[社説]ポスコの製鉄工法の革新が示した韓国経済の道

[社説]ポスコの製鉄工法の革新が示した韓国経済の道

Posted May. 31, 2007 03:57,   

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「製鉄報国」は、浦項(ポハン)製鉄(現ポスコ)が40年前に、浦項の砂浜に製鉄所を建設する際に掲げた創立理念だ。ポスコは独自の技術で開発したファイネックス設備を昨日、完成したことで、製鉄報国の快挙を再び遂げた。ファイネックス工法とは、粉状の鉄鉱石と石炭をそのまま原料として使う画期的な製鉄の新技術だ。鉄鉱石と石炭を硬い塊に加工して使わなければならなかった従来の工法より、製造コストが15%も削減される。また、中間加工過程を省くことで、大気汚染を97〜99%減らすことができる。

世界鉄鉱石の生産量の80%以上が直径8ミリ以下の粉状で、欧州や日本の先進製鉄会社が新工法の開発競争を繰り広げているが、ポスコがはじめて常用化と量産に成功した。世界の製鉄技術史の新しい幕を開けたのだ。

ファイネックス設備の常用化は、韓国産業と経済が進むべき方向を象徴的に見せている。ポスコはファイネックス工法の研究開発に15年間、5500億ウォンを投入し、20ヶ国余りで58件の特許を出願している。ポスコの浦項工場の正門には、「資源は有限、創意は無限」と書かれた看板が掲げられている。ファイネックス工法は産業において人間の創意がいかに重要かを示す証拠だ。

10年前に見舞われた通貨危機以来、韓国経済は、「成長のパラダイム」が変わった。資本や労働などの要素の投入量の増加ではなく、技術向上を通じた生産性の増加によって成長がなされている。最近、韓国経済の成長の潜在力が落ちたのも、生産性が横ばいになったり、後退したりしているからだ。生産性の増加はファイネックスのような先端技術の開発を通じて、付加価値を高める時にこそ可能だ。経済開発の初期に先覚者たちが鉄鋼に韓国の希望を見いだしたように、我々の世代も未来世代を養うための成長エンジンに火をつけるべきだ。