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ロシア「MD体制を無力化、新型ICBMの試射に成功」

ロシア「MD体制を無力化、新型ICBMの試射に成功」

Posted May. 31, 2007 03:57,   

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ロシアが29日、米国主導のミサイル防衛(MD)体制を無力化する複数弾頭搭載の新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)の試射実験に成功したことを明らかにした。

米国の東欧MD体制構築に反対していたロシアが実力行使に出たことで、米国とロシア間の軍事葛藤および軍備競争の加速化が憂慮される。

▲「MDの盾を突き破る最先端の槍」〓ロシア国防部は同日、声明を通じて、「ロシア北西部プレセツク宇宙基地から発射した『RS24』ミサイルが、5500キロ離れたシベリア東部太平洋沿岸のカムチャッカ半島付近の標的に命中した」と明らかにした。同声明は、ロシア南部のアストラハンで実施された新型戦術クルーズミサイル「イスカンダルM」の発射実験も成功したと伝えた。

イワノフ第1副首相は、「現存する、あるいは未来のいかなるミサイル防衛システムにも打ち勝つ新型ミサイルを手に入れた」としつつ、「もはやロシアは、安保分野で静かに国家の未来を見通すことができるようになった」と述べた。

弾道ミサイル「トーポリM」の改良型であるRS24は、最大10基の弾頭を搭載でき、最大射程が1万1000キロに達する。自動航法装置が装着され、飛行経路が調整でき、各弾頭が異なるターゲットを攻撃するなど、現在のMD体制では追跡が難しいとロシア国防部は明らかにした。

モスクワ国際関係研究所のアレクサンダー・ピカエフ上級研究員は、「ロシアはMD体制を克服する能力を備えるために努力してきた。今回の実験がその解決策となるだろう」と述べた。そして、「今回の実験によって、ロシアは地上、海上、空中をつなぐトライアングル核ミサイル体制を構築した」と分析した。

フィナンシャル・タイムズも、クルーズ・ミサイルが、ポーランドとリトアニア間にあるカリーニングラード基地に配備される場合、米国がポーランドに配備するMDシステムが無力化する恐れがあると報じた。

▲新冷戦の警告か〓ロシアは、米国の東欧MD体制の構築がロシアに直接的な脅威になると反対してきた。ロシアのプーチン大統領は、先月26日、国政演説でMD問題を取り上げ、欧州通常戦力(CFE)条約の猶予を宣言した。さらに、中距離核戦力(INF)交渉を撤回し、欧州に配備された米国のMD基地を攻撃することもありうると言って強硬な姿勢を示した。

今回のミサイル実験は、これまでのロシアの主張がただの脅しではなかったことを示したものだ。プーチン大統領は29日にも、「米国が東欧にMD体制を構築すれば、欧州が火薬庫になる危険がある」と警告した。

英国ガーディアン紙は30日、「ロシアが、米国と『新冷戦』の軍備競争をする意思があることを明らかにした。ロシアと西側世界の関係が、旧ソ連崩壊後、最悪の状況に置かれている」と分析した。

ロシアが槍の先を磨いだことで、米国は緊張している。ホワイトハウスは30日、「東欧MD体制構築はロシアを狙ったものではなく、協力する用意がある」と主張した。

米国は25日、2回目のMD迎撃実験を実施したが、ターゲット・ミサイルが規定の高度に上昇せず途中で墜落したため、迎撃ミサイルの発射ができなかった。このため米国国内で、MD体制の実効性に疑問を提起する声が高まっている。



redfoot@donga.com