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[オピニオン]任志淳モデル

Posted April. 21, 2007 07:23,   

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物理学者の任志淳(イム・ジスン)ソウル大学教授(56)に祝い事が重なった。21日の科学の日を迎えて、「大韓民国最高科学技術人賞」を受賞した。昨年末には「国家碩学」に選ばれ、先月には第1回ポスコのチョンアム賞を受賞した。メディアにたびたび登場するので、インタビューの要請も少なくない。研究する学者として相当負担になるだろうが、任教授は意外と気兼ねしない。「私が人気者のように見えてこそ、後輩の科学研究者たちが「自分も頑張れば、将来、あのようになれるだろう」という夢を持つことができるだろう」と考えているからだ。

◆任教授は先日、乗用車を「オピロス」に買い換えた。いい車に乗っている姿を学生たちに見せたかったためだ。飛行機に乗る時もわざと2等席を利用する。理工系の危機のなか、科学者たちが他人に「貧しい姿」を見せるのは、さらによくないと判断したからだ。科学者に対する社会的な認知度が低いのが危機の一因となっているので、科学者の暮らしぶりが大衆に豊かに見えてこそ、科学を志望する青少年たちも増えるという。

◆任教授は科学界では天才として有名だが、研究室を空けない情熱でも有名だ。日曜日を除いてほとんど毎日、夜遅くまで彼の研究室には灯りがついている。休日や祭日にも休まない。他の科学者たちが彼の論文を引用した件数が4300件を超えた。ノーベル受賞者たちの論文が引用された平均回数の5000件に迫り、韓国科学者のうちノーベル賞にもっとも近いという評価を受けている。

◆「科学は芸術だ」。彼が強調する言葉だ。科学は知能や努力だけでは限界があり、自由な思考から出る芸術のように独創性をそなえなければならないという意味だ。「もっとも深いところに入ると、従来のものを真似るのでは意味がなく、自分だけの新しいものを出すべきだ」。彼自身を含めて、国内科学界が独創性の面では外国より落ちていることを認めたわけだ。彼は純粋理論の研究から、国家経済に役立つ研究に目を向けた。科学や産業が一緒に動くべきだと思ったためだ。それで、任教授は未来の代替エネルギーである水素燃料の貯蔵技術を研究している。彼の一挙手一投足が注目の対象となっている。

洪賛植(ホン・チャンシク)論説委員 chansik@donga.com