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[オピニオン]減りつつある男児妊娠

Posted April. 19, 2007 08:13,   

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自然の状態での男子と女子の性比は105対100で、生物学的なバランスを維持している。例外もある。ダーウィンは、『人類の由来と性の選択』という著書で、19世紀、リボニア地域のユダヤ人社会では性比が120対100だったと記録した。ダーウィンもその理由がわからなかったのか、明らかにはしていないが、戦争期間やイスラムのハーレムでは男児の出生比率が高いという報告もある。成長過程での男児の死亡率が高いため、性比のバランスを取らせるための自然の選択ではないか、との推論があるだけだ。

◆最近、男児の出産が減って、性比の格差も減ったという。米国ピッツバーグ大学保健大学院のデブラリ・デイビス教授が科学専門誌「環境保健展望」の最新号に書いたのを見ると、米国は1970年は105.5対100だった性比が、01年は104.6対100で、日本は106.3対100だったのが、105対100に狭まった。微々たる変動のように見受けられるが、環境汚染が男児妊娠の可能性を下げていると見るには十分なデータだとデイビス教授は主張する。

◆環境毒性物質がとりわけ男児の出産率を下げるのは、Y染色体を持つ精子と男性胎児の生存能力を弱化させるためだ。染色体のなかでも性を決めるのはY染色体だ。Y染色体があれば男性、なければ女性だからだ。しかし、遺伝学的にY染色体は非常に弱い。X染色体はY染色体とは比べ物にならないほど大きく、塩基序列も長い。X染色体には数千個の遺伝子があるものの、Y染色体には数十個しかない。X染色体を「恵まれた染色体」と呼ぶのもそのためだ。

◆性比の不均衡は望ましくない。第1次世界大戦直前の西欧の男子人口の過剰が戦争勃発の「見えざる手」だったという見解もある。古代の多くの戦争は配偶者を確保するための男性たちの衝突だった。しかし、ゲノム・プロジェクトで、遺伝子の秘密が解明され、Y染色体の生物学的な脆弱性がさらけ出された。その昔、男性が子孫繁殖のために女性を略奪してきた時期があったように、同様の理由で今後は女性が男性の面倒を見なければならない時代がくるのではないだろうか。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com