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[オピニオン]告訴王国

Posted April. 18, 2007 08:18,   

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韓国人は、普段は法をあまりよく守らないのに、争い事が起きると、「法による解決」を叫んだりする。法意識の二重性である。告訴事件が他国に比べ多いのもこのような風土の反映と見ることができる。検察に受理された告訴件数だけでも04年約47万件、05年と06年はそれぞれ約42万件に上っている。日本の約150倍に当たる数字だ。検察の不起訴処分を不服とする抗告・再抗告の伸び率は最近年間20%前後に達している。「告訴王国」と呼ばれてもおかしくない状況だ。

◆このような現象をさらにエスカレートさせかねない要因が、また増えた。検察が告訴事件を起訴しなかった場合、告訴人が裁判所に直接訴えることができる裁定申し立て対象をすべての告訴事件に拡大する可能性が高くなったためだ。現行法での対象は、公務員の職権乱用、不法逮捕・拘束、汚職暴行の3つの犯罪のみだ。刑事訴訟法改正案が一昨日、国会法司委員会の審査小委員会を通ったので、確定まで法司委員会全体会議と本会議しか残っていない。確定すれば、1980年代から続いてきた裁定申し立て対象に関する議論が約20年で決着することになる。

◆改正案の趣旨は、告訴人の権益保護と検察権(起訴独占権)のけん制にある。司法の両輪である裁判所と検察の一方は格上げされもう一方は格下げされる格好なので、検察は気を悪くするだろう。だからといって裁判所も手放しで歓迎するわけではないようだ。改正案がそのまま確定すれば、年間1万件の裁定申し立て事件が殺到すると最高裁は予想している。公判中心主義を試みているため、そうでなくても忙しいのに、検察の捜査結果にまで幅広く関わらなければならないため、過度な長時間勤務を余儀なくされる見通しだ。

◆何よりも問題なのは、被告訴人の生活の安定を長い期間、壊すことになるという点だ。現行法では、抗告・再抗告の手続きを経るだけでも最短で6ヵ月、長い場合は1年以上かかる。裁定申し立てまで加われば、事件終結まで早くて1年半ないし2年はかかる。偽りの告訴も多い世の中だ。もし、誣告に終わった場合、被告訴人の精神的・財産的被害はどうするのか。国会審議過程であらゆる副作用の防止策に対する踏みこんだ議論が必要だ。

陸貞洙(ユク・ジョンス)論説委員 sooya@donga.com