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[オピニオン]エタノール戦争

Posted April. 02, 2007 08:05,   

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エタノールは、我々にとって水の次に身近な化学物質だ。酒の主な成分がエチル・アルコール、すなわちエタノールだ。エタノールを飲むと、大脳の制御機能が鈍くなり、興奮状態になる。これがいわゆる「酒に酔った」状態だ。火のつくエタノールは燃料としても使える。地球温暖化で世界が温室ガスの削減圧力に直面し、エタノールは代替エネルギーとしても注目を集めている。自動車燃料としてエタノールを使うと二酸化炭素の排出量を減すことができ、エタノールを確保するために各国はしのぎを削っている。

◆エタノール戦争に真っ先に飛び込んだのは米国だ。ブッシュ米大統領は、1月の新年演説で、10年以内に石油消費を20%減らし、エタノールの消費を7倍に増やすと宣言した。世界最大のトウモロコシ生産国である米国で、エタノール原料のトウモロコシの価格が急騰し始めた。ブッシュ大統領は先月の南米歴訪中、世界2位のトウモロコシ生産国であるブラジルとエタノール生産の拡大問題について話し合った。エタノール生産量において世界1位と2位の「戦略的な提携」だ。

◆昨日、ブッシュ大統領とブラジルのルーラ大統領が米国メリーランド州のキャンプ・デイビッドで再会した。エタノール協力を拡大し、多国間自由貿易を強化するなど、12項目に合意し、緊密な関係を誇示した。南米国家の首脳が米国大統領の別荘であるキャンプ・デイビッドへの招かれたのは初めてのことだ。米国は「反米気流」が強い中南米でブラジルと同盟を結ぶことで、エネルギー協力とともに反米ドミノ現象まで遮断する一石二鳥を狙っているわけだ。

◆両国の「急速な蜜月」に、病気を患っているキューバのカストロ大統領がだたちに反旗を翻した。カストロ大統領は「米国がエタノールを自動車燃料として確保するために乗り出すと、発展途上国では食料がなくなるだろう」とし、「そのあおりで、全世界の30億人が食糧不足で死亡しかねない」と主張した。第3世界の食糧難を心配しながら、米国−ブラジル同盟に対する敵意を示したわけだ。実際、バイオ燃料としてのエタノールの効用価値についてはさらなる検証が必要だろうが、エネルギーの確保さえ先にできれば、敵か同志かを問わないのが昨今の世界だ。

鄭星姬(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com