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[社説]国民の42%のみが「私は中間層」という不安な国

[社説]国民の42%のみが「私は中間層」という不安な国

Posted March. 30, 2007 07:45,   

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中間層は社会が片方に倒れるのを防ぐ支柱であり、貧富やイデオロギー、地域の葛藤を緩和させる安全板だ。中間層が市民社会を支える脊椎なら、「中間層意識」はその中の脊髄だといえるだろう。そのような中間層が減っており中間層意識も弱まっているのは、韓国社会が危うい状態におかれているというシグナルだ。

00年、56%だった中間層が、06年、44%に減ったことを、最近の保健社会研究院の報告書が示している。1人当たりの所得が2万ドルの時代を控えているなか、貧富の格差が広がって現れた惨憺たる結果だ。

東亜(トンア)日報の国民意識調査の結果、「自分は低所得層だ」と言う回答者が全体の48%だったのに比べて、「自分は中間層だ」という回答者の割合は42%に止まった。10年ほど前までは国民の3分の2以上が「自分は中間層だ」と答えた。

中間層から脱落する国民の増加とともに、庶民が最下位層の貧民に落ちることが、より深刻な現象だ。00年、34%だった下位層の割合は、06年、45%に増えた。そのうち、貧困層は11%から20%に増加したわけだから、一部の中間層が庶民に、庶民は貧民に落とされたわけだ。「国民の70%を中間層として築き上げる」と語った盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の大統領選挙での公約が顔負けするほどだ。

中間層の崩壊を防ぐためには、いい働き口を創出し住宅価格を安定させるべきだ。投資を誘導し積極的な成長政策を講じてこそ、雇用を増やすことができる。市場原理に逆らい、成長動力を弱化させ上層部を攻撃するポピュリズムは、結局中間層を崩壊させ、貧困層を増やすブーメランになる。

住宅価格や地価が上がると多くの国民が働く意欲を失うだけでなく、社会に対する構成員たちの不満が増幅し、貧富の格差も広がる。所得がテナントから不動産所有者に持続的に移転される構造が、所得格差を拡大させる。

中間層を取り戻すためには危機意識をもって、この問題に真っ向からぶつかるべきだ。金持ちをたたいて庶民の手助けをするというやり口のプロパガンダ的な政治ぶりや社会主義的・左派的なアクセスは、問題を悪化させるだけだということを、国民はすでにここ数年で経験済みだ。