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[オピニオン]日本の国格と首相の品格

Posted March. 21, 2007 07:13,   

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「豹変」という言葉は、最近悪い意味で使われるが、本来はいい意味だ。周易によると、豹変は「豹の毛が鮮やかに抜けかわるように、旧習を捨て、素直に過ちを認め改めること」を意味する。いっぽう「小人」は、「革面(周囲の状況によって顔の色を変えること)」をするという意味だ。

◆日本の安倍晋三首相は昨年9月の就任後、保守の色彩を薄め、中道勢力を抱き込むという戦略を掲げた。自民党の一部の「核武装論」を突っぱね、軍慰安婦強制動員を認めた93年の河野談話、「植民支配と侵略」を謝罪した95年の村山談話を継承すると宣言した。朝日新聞は「君子豹変す」と言い、期待を示した。しかし、首相の穏健化に保守層が反発し、一部の閣僚の資質問題まで起こったために支持率が70%から40%に下落するや、安倍首相は食事も口にできないほど悩んだ。

◆結局、安倍首相は今年に入って「私の色を出す」と公言した。小泉純一郎前首相を「副作用の多い劇薬」に、自分を「効果が徐々に表れる漢方薬」に例え、7月の参院選勝利への自信まで見せた。その延長線で、軍慰安婦強制動員を否定する発言が出た。顔の色をまたも変えたのだ。これに対し自民党内でも、主要な閣僚職を経験せずに急浮上した彼に対し、「首相になるにはキャリアが不十分だった」という批判が出ている。

◆最近日本では、数学教授の藤原正彦氏が書いた『国家の品格』という本がベストセラーだ。しかし、米ロサンゼルス・タイムスは、17人の日本人が北朝鮮に拉致された問題で全国が興奮し、20万人が「性奴隷」として連れていかれた事実に目を向けない日本の「ダブル・スタンダード」を批判した。さらに、安倍首相は90年代、保守右派議員の会である「日本の前途と歴史を考える議員の会」の事務局長当時、「韓国にはキーセン宿があり、慰安婦問題が生活の中に溶け込んでいたのではないか」と言った事実も明らかになった。常識と普遍性が欠如した発言で、いかにして「国格」を高められるのか。

李東官(イ・ドングァン)論説委員 dklee@donga.com