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核で生き返った北朝鮮、核の完全放棄は可能か

核で生き返った北朝鮮、核の完全放棄は可能か

Posted March. 10, 2007 07:45,   

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6者協議の2・13合意後、韓半島の外交安保情勢が韓国戦争以来、最大の変革を迎えている。半世紀もの間宿敵だった北朝鮮と米国は最近、ニューヨークで米朝作業部会を開き、国交正常化および韓半島の休戦体制から和平体制への構築問題を論議する段階に入った。これまでの両国の関係では見られなかった進展だ。

2・13合意が履行される場合、冷戦の最後の地帯である韓半島に和平体制の樹立が可能だという性急な見方も出ている。しかし、北朝鮮が核を放棄しなければ、北朝鮮核問題の外交的解決は、結局は失敗するという現実的な憂慮も大きい。韓半島の和平体制樹立は果たして実現できる目標なのか、それとも一場の夢にすぎないのか。

●北朝鮮は核で生き返ったか

核兵器の開発により国際舞台で完全に孤立していた北朝鮮は、昨年の核実験で起死回生の転機を作ったわけだ。米国が軍事的圧迫の代わりに外交的解決策を模索したことで、北朝鮮は絶体絶命の危機を米朝関係改善の契機に転換した。

米国は、マカオのバンコ・デルタ・アジア(BDA)に凍結された北朝鮮資金を解除することを決め、重油100万トンにあたる北朝鮮への食糧およびエネルギー支援にも同意した。その見返りは、核施設の不能力化(disablement)と核計画の申告だ。北朝鮮がすでに保有している核兵器は含まれていない。

米国は、北朝鮮が核を廃棄する場合、北朝鮮と和平協定や大使級国交正常化まで結ぶ構えだ。イラク戦争の泥沼にはまったブッシュ政府が、北朝鮮の核問題で外交的成果を模索しているためだ。米国と中国内では、08年8月の北京オリンピックの開催前に、北朝鮮の核廃棄と韓半島の和平体制の樹立手続きを終えようという話まで出ている。

●北朝鮮は核廃棄の意思があるのか

楽観論者たちは、北朝鮮に体制の安全とエネルギー支援さえ保障すれば、核を放棄するものと見込んでいる。大阪経済法科大学の吉田康彦教授は、「米国が、北朝鮮の体制安全を法的拘束力がある条約で保障し、6者協議の参加国が軽水炉をまず提供すると言えば、北朝鮮は核を放棄するだろう」と述べた。

しかし、安保戦略研究所の洪官熹(ホン・グァンヒ)所長は、「北朝鮮の核保有は、対韓国戦略上、譲歩できない目標だ」としたうえで、「北朝鮮が今交渉テーブルについているのは、廃棄することにした寧辺(ヨンビョン)原子炉のほかに隠してある核施設を稼動し続ける自信があるためだ」との見解を示した。

●和平体制は可能か

北朝鮮は、和平協定の相手に米国を主張する。04年5月、韓成烈(ハン・ソンニョル)北朝鮮国連代表部次席大使(当時)が、韓国と北朝鮮、米国が参加する3者和平協定を提案したことがあるが、北朝鮮の本音は、米朝2国間構図を固めるための付添い役として韓国を立てようとしたという指摘が多い。

いっぽう、韓国と米国は、南北と米国、中国が参加する4者和平協定を固守している。このため、早ければ4月末か5月初めに予想される和平体制を話し合うフォーラムの構成問題をめぐって、関係国間に摩擦が生じる可能性がある。

韓国と米国の意思どおり4者フォーラムが発足しても障害は多い。米国は、核廃棄が完了した後、和平協定を結ぶという考えだが、北朝鮮は和平協定が核廃棄の前提条件だと主張するものと予想される。また北朝鮮は、韓米同盟を揺さぶるために和平協定に在韓米軍撤収の条項を入れるよう要求する可能性がある。

●韓国は疎外されないか

韓国政府のある高官は、「米国は昨年、中国が北朝鮮の核問題を解決するために積極的に乗り出すことを目にした後、米中関係という大枠で韓半島問題を眺め始めた」とし、「米国と中国が連帯して(韓半島の将来に関して)方針を決めた場合、拒否することは難しい」と憂慮した。

一部では、米国と中国が、北朝鮮との駆け引きに疲れる場合、核施設の廃棄に満足して過去に開発した核兵器の保有には目をつぶり、和平協定を推進するという憂慮もある。

成均館(ソンギュングァン)大学の金泰孝(キム・テヒョ)教授は、「可能性は低いが、米国が、北朝鮮がすでに保有している核弾頭や核兵器製造用プルトニウムを問題視せず、和平体制を論議し、米朝国交正常化を約束した場合、韓米関係にも悪影響を及ぼすだろう」と述べた。

韓半島和平体制の夢が実現するには、越えなければならない山が多い。その夢の実現は事実上、北朝鮮の選択にかかっている。



gun43@donga.com