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[オピニオン]中国の海洋崛起

Posted March. 09, 2007 05:41,   

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1890年、米海軍大佐のアルフレッド・マハンは、著書『海上権力史論』で「米国は、海洋帝国の建設に乗り出さなければならない」と提唱した。第1次世界大戦以前までは、「英国が海を支配する」と言われたが、20世紀に入ってからはマハンの呼びかけが米国の「明白な宿命」になった。米国は、人類歴史上、大西洋と太平洋を制覇した前例のない大帝国になる。

◆両大洋を支配するようになった米国は、いつまでも揺らぎそうにない確固たる地位を占めている。挑戦がなかったわけではない。中国人民解放軍の高官が6日、「空母の建造事業が順調に進んでおり、2010年までには完成する予定」と述べた。胡錦濤主席が昨年12月、「中国は海洋大国」と宣言したのに続き、空母建造を公に発表したのだ。全世界に26隻存在し、そのうち12隻を米国が保有している空母は、「大洋強軍」の象徴であり、実態だ。

◆もちろん、中国の「海洋崛起=海から勃興する」が、米国への前面挑戦の様相を呈しているわけではない。まだ、石油輸送路の確保に焦点を当てている。胡錦濤主席が先月末、人口8万人のインド洋の島国セイシェル共和国を「電撃訪問」したのも、そのためだった。セイシェルは、アフリカとアジアを結ぶインド洋の戦略的要衝である。その一方で、中国の海洋崛起は、隣国の日本をはじめ、アジア諸国の緊張を招いてもいる。

◆日本は昨年秋の安倍晋三首相の就任以来、政府の各省庁に分散していた海洋関連業務を一元化、「海洋大国への復活」を準備している。一方の韓国はどうか。韓国海軍は数十年間、言葉通り「工作員を逮捕するための海軍」だった。今は役目すらうやむやになっている。海軍は乾杯の時に「海へ!」と音頭を取り、「世界へ!」と応じるそうだ。酒席でばかり「海へ」「世界へ」を叫んでいていいのだろうか。17、18世紀のオランダのように、周辺国にけん制をかけることのできる中規模の海洋強国を目指すべきではないか。

金昌赫(キム・チャンヒョク)論説委員 chang@donga.com