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[オピニオン]国家碩学

Posted December. 14, 2006 07:27,   

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ロシア数学者のグリゴリー・ペレルマンは2003年、ミレニアム数学問題の一つである「ポアンカレ予想」を解いてインターネットに結果を公開した後、身を隠した。同功労で、彼は今年、「数学のノーベル賞」と言われるフィールズ賞の受賞者に指名されたが、賞を拒否し、もっと有名になった。韓国にもこのような難題を、一つだけでなく二つも解いた数学者がいる。高等科学院のファン・ジュンムク教授は15年間、複素幾何学の難題だった「ラザスフェルド予想」と、40年間、学者たちを苦しめた「変形不変性の証明」を解決した。

◆第2回「国家碩学」にファン教授を含め10人の科学者が選定された。今年は、数学と地球科学分野が追加され、支援範囲が広くなった。科学論文引用索引(SCI)被引用回数が4393件に達するイム・ジスン教授、「偏微分方程式の解」の存在をはじめ、多くの未解決理論を証明したチェ・ドンホ教授、細胞信号伝逹体系研究を先導するチェ・ウィジュ教授など錚々たる科学者たちが熾烈な競争に勝ち、選定された。

◆「国家碩学」は基礎科学分野でノーベル賞を受けても良さそうな科学者を選定し支援する制度だ。昨年、「黄禹錫(ファン・ウソク)神話」が崩れ、「科学韓国」の夢をこのまま水の泡にするわけにはいかないという共感から取り入れられた。受賞者たちには今後5年間、毎年2億ウォン(理論分野は1億ウォン)が支給され、必要であれば研究期間を5年延ばし、最大20億ウォンまで支援する。成果を短期間で出さなければならないブレーン韓国(BK)21事業と違って、長期研究の自律性も高い。

◆外国の「スター・ファカルティー(star faculty)」が国家碩学のモデルと言える。この「国家碩学」と言う名称からは、ノーベル賞に対する念願と「プレッシャー」がうかがえる。しかし、ノーベル賞は、装備と材料を入れ機械さえ動かせばすぐに作られる製品ではない。厚い基礎科学研究力量と長期的な投資が先行されなければならない。だから、受賞者たちにノーベル賞を早く受賞するようにとプレッシャーをかけてはいけない。逆説的に言えば、国宝級人材である受賞者たちが気楽に研究できるように、私たちが忘れてあげるのが、むしろ彼らのノーベル賞への接近を助ける道かも知れない。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com