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[オピニオン]モメンタム

Posted December. 02, 2006 07:29,   

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米国系の投資銀行であるモルガン・スタンレーが、「韓国経済のモメンタム(momentum)が冷えていく」と診断した。モメンタムとは元々物理学の用語で、動力や推進力、余勢などを意味する。韓国経済を引っ張っていくエンジンが冷えていくということは、「景気が悪い」という話よりはるかに悪いことだ。モルガン・スタンレーでは、「10月の景気指標はよくなったものの、韓国経済を肯定的に見るには、すでに遅しに失した」とも語った。今まで経済を引っ張ってきた輸出は萎縮し、景気萎縮が予想されるとの分析だ。

◆11月の輸出が、月間としては最大の300億ドルを超えた。今年の実績は来週3000億ドルを突破する見通した。三星(サムスン)電子は、半導体や携帯電話を全面に出して、「夢の実績」といわれる年間500億ドルの輸出を達成する勢いだ。なのにどうしてモメンタムは冷えていくのか。下半期の輸出が当初の見通しを上回ったのは、中国などの海外市場の成長の勢いが維持され、世界情報技術(IT)産業の景気が回復され、国際原油価格が下落したおかげだ。しかし、来年はこのようないい材料は期待しづらいという。

◆国内でも「経済の活力が弱まっている」との憂慮がいたるところで出回っている。とりわけ、将来の経済力に大きな影響を及ぼす設備投資が引き続き低迷し、各企業は、「投資を妨げる首都圏の規制や大手企業の出資制限を解除してほしい」と訴えた。しかし政府は、依然として核心的な規制を解除しようとはしない。大手企業の出資制限を頑固に主張する公正取引委員会と与党ヨルリン・ウリ党の関係者たちは、民間の規制緩和の要求を受け入れて投資が拡大すると大変なことでもおきるとおもっているのだろうか。あるいは、大手企業を押さえつけるのが改革だと勘違いしているのではないのか…。

◆誰が経済モメンタムを殺しているのか。それは大統領や経済官僚の根拠のない傲慢さが第一点だ。「経済状況はいい」という大言は、後になって見ると「経済低迷だった」という自嘆に、たびたび変わる。第二点は「詐欺セール」のように時と場合を選ばず叫ぶ掛け声のようなもののためだ。「規制を減らし、企業を経営するのに最も適した国をつくる」といった話の1%でも実践に移していたら、このようなざまにはならなかっただろう。第三点は、何の対策もない「大きな政府」だ。問題意識も対策もなく、さきに予算から使うと意気込む。このような政府が経済のモメンタムを冷ましているのだ。

洪權熹(ホン・グォンヒ)論説委員 konihong@donga.com