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[オピニオン]深い否定(Deep Denial)

Posted November. 14, 2006 07:43,   

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ブッシュ米大統領が、中間選挙の敗北の見代わりにしたラムズフェルド(74)国防長官ほど、出生街道を走った人物はいない。プリンストン大学出身の彼は、30歳で下院議員に当選し、約40年間、政官財界を出入りして華やかな経歴を積んだ。42歳で大統領秘書室長、43歳で最年少国防長官を務めた彼は、多くの企業の最高経営者(CEO)を経て、2001年、最高齢国防長官にカムバックし、「テロとの戦い」を指揮した。

◆カネス・アデルマン米国防政策委員は最近、週刊誌ニューヨーカーとのインタビューで、ラムズフェルド長官が、イラク戦の状況について、「深い否定(Deep Denial)」に陥っていると証言した。昨年夏、アデルマン氏が、「米国はイラク戦で負けている。米軍は、新たな戦略が必要だ」と助言すると、ラムズフェルド長官は、自問自答するかのように、「我々は、米国内での戦争に負けても、イラクで負けることはできない」と話したという。36年来の友人である彼は、「今のラムズフェルドは、私が知っているラムズフェルドではない」と話した。

◆「深い否定」とは、現実の過ちを認めたくない心理状態を批判的に表現する言葉だ。人間は、過ちを認めることがとてもつらい時、無意識的に否定する防御装置が作動する。誤った行為を合理化したり、複雑な知識を動員して説明したりすることも、これにあたる。ラムズフェルド長官は、自分に対する評価を「歴史が考えるままにしておく」と言ったが、イラク戦の失敗を認めることで人生を失敗で締めくくることは、耐え難いことだろう。

◆盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府は、「成功した」という評価を受ける政策がほとんどない失敗した政府として記録される公算が高い。実勢首相を務めた李海瓚(イ・ヘチャン)氏が、「参加型政府が、システム上最も安定した政府だ」と自画自賛したことも、失敗に対する深い否定にあたる。盧大統領が、外交安保政策と不動産政策に失敗した大統領府参謀や長官たちの責任を問わないことも然りだ。現実の過ちを否定したからといって、問題が解決されるわけではない。

権順沢(クォン・スンテク)論説委員 maypole@donga.com