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[オピニオン]都心の竹槍

Posted November. 10, 2006 07:07,   

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8日、平和デモ関連セミナーの会場。全国民主労働組合総連盟の金テイル事務総長が討論の中で、「組織的に武装したデモはなく、暴力デモは偶発的だった」と述べた。すると、傍聴席から「戦義警父母の会」の李ジョンファ代表が質問した。「ソウル市内に竹林はない。事前に準備していない竹槍や鉄パイプは、どこから出てきたのか」。金総長は即答できず、困り果てた。昨年末のソウル農民デモの時も竹槍が登場したが、デモ隊は「周辺の工事現場から拾ってきた」と話した。竹槍約10本が入った包みがデモ現場に運び込まれる場面が撮影された映像は、捏造なのか。

◆韓米自由貿易協定(FTA)反対のデモ隊は、ソウルで竹槍と鉄パイプを振り回したが、香港と米ワシントンの遠征デモの時は違った。それに代わって、ピケットとサムルノリの道具を手にした。デモの様相は警察、政府の態度によって変わる。市民社会の努力も重要だ。一昨日のセミナーで、米テキサス大学のベン・ブラウン教授は、「警察だけではデモ隊の不法暴力行為を統制できない」と述べ、市民社会が協力して問題を解決すべきだと助言した。

◆政府が構成した「平和デモ民間委員会」が発足して10ヵ月になる。当初、4月に「平和デモ社会協約」を出すと宣言したが先送りにされ、12月の締結で目標を修正したという。政府と社会・宗教・労動団体などが署名し、約束を守れば、来年には先進デモ文化が期待できるだろうか。竹槍と鉄パイプこそ博物館に送らなければならない。最近、与党ヨルリン・ウリ党の人々の後悔シリーズが流行だが、社会活動家たちも「竹槍を好んで、国民にそっぽを向かれた」と後悔する日が来ないだろうか。

◆一昨日の午後には、全国貧民連合のデモ隊が、ソウル駅から会賢洞(ヘヒョンドン)を通って、清渓(チョンゲ)広場まで行進した。このため30分間も車の中で身動きできなかった会社員の金氏とデモ隊の間でもみあいになった。金氏は、デモ隊の中に車を走らせて4人をひき、方向転換したが、デモ隊につかまって暴行を受けた。相次ぐ都心デモの副産物である。都心デモのストレスに耐えられない市民が増えている点を、デモ指導部が軽く考えていいものだろうか。

洪権憙(ホン・ゴンヒ)論説委員 konihong@donga.com