「逆転勝ち」で有名な全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースは最後の瞬間までも、ドラマを描いた。
全北が韓国プロサッカー史上初めて、06アジアサッカー連盟(AFC)チャンピオンズリーグで頂点に立った。
全北は9日、シリア・ホムスで開かれた決勝第2戦で、アル・カラマー(シリア)に1−2で敗れたが、第1、2戦のスコア合計が3−2で優勝を確定した。
これで、全北は来月11日から、日本で開かれる国際サッカー連盟(FIFA)クラブW杯にも、アジア代表で出場することになった。
4万観衆の歓声でいっぱいになったホムスのカレド・ビン・アル・ワレドスタジアム。ベスト8、ベスト4まで全て第1次戦で負けた後、劇的な逆転勝ちで決勝まで上って来た全北は、優勝を確定する最後まで手に汗を握らせた。
全北は後半、アル・カラマーのモハマド・アル・ハムウィ選手やモハナド・アブラヒム選手に連続ゴールを奪われた。このまま終われば、第1戦の2−0勝利が「水の泡」になり、延長まで行かなければならない絶体絶命の危機だった。
しかし、上海(中国)との準々決勝戦と蔚山(ウルサン)現代との準決勝戦を、いずれも逆転劇で飾った全北は、特有の底力を発揮した。後半41分、チョン・ジョンクァン選手が深くパスしたボールを金インホ選手が右側エンドライン近所でクロスさせ、ジェ・カルロ選手のヘディングシュートが突き刺さった。
瞬間、時間が止めてしまったように、冷ややかな寂寞がスタジアムに広がった。
60万ドル(約5億7000万ウォン)の優勝賞金を受けた全北は今後、6大陸のクラブチャンピオンが出場するFIFAクラブW杯で、賞金1500万ドル(約143億ウォン)をめぐり対決する。
全北は来月11日、北中米チャンピオンであるメキシコのアメリカと第1戦を行うが、ここで勝てば、「ドリームチーム」と呼ばれるスペインのバルセロナと14日に対決する。バロセルロナはロナウジーニョとリオネル・メッシュ、サムエル・エトオなど名前だけでもサッカーファンを興奮させる世界最強チームだ。
同大会では、最下位の6位でも100万ドルの出場手当てが与えられ、アメリカに勝てば200万ドルを確保する。
チェ・ガンヒ全北監督は、「試合ごとに、逆転闘魂と挫折しない精神を見せてくれた選手たちのお陰で優勝できた。第1次戦で必ず勝ってバルセロナとぜひ対決してみたい」と述べた。
Kリーグでは11位にとどまった全北は今シーズン、チャンピオンズリーグにオールイン」し、感激の逆転勝ちに続いて優勝カップを抱いた。クラブハウスもなく、現代自動車の職員宿所を転々としなければならず親企業の現代自動車は、トップが拘束される危機に瀕したため大会放棄まで考慮しただけに、同日の優勝はより感激的だった。
同日の競技最優秀選手(MVP)に選ばれた全北の最古参、崔鎮迵(チェ・ジンチョル、35)は、「1つのチームに11年もいたが、これまでろくな成績を出せなかった。今回の優勝をきっかけに、後輩たちがより良い環境でスポーツできればと思う」と目頭を赤くした。
02年まであったアジアクラブ選手権(各国リーグ優勝チームが出場)とアジアン杯ウィーナズ杯(各国FA杯優勝チームが出場)を統合し、02年8月、発足した。韓国はアジアクラブ選手権では最多である6回優勝し、アジアン杯ウィーナズ杯では準優勝だけ3回記録していた。アジアチャンピオンズリーグでは、03年初代大会はアル・アイン(UAE)、04年と05年にはアル・イッティハド(サウジアラビア)が優勝した。
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