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[社説]盧大統領「残された人事」だけ上手くやれば、「最悪」を免れる

[社説]盧大統領「残された人事」だけ上手くやれば、「最悪」を免れる

Posted October. 27, 2006 06:59,   

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大統領は、政策を通じてビジョンを国民に示し、国民の信頼と支持を基に、政策を実現する。その媒介の役割をするのが人事だ。人事さえ上手くやれば、大統領として成功したも同然だ。しかし盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は、「誤った人事とこれによる国力消耗」で綴られた3年8ヵ月を送った。これが盧大統領の在任中に、大統領自身も国民も不幸になった主な原因の一つだ。

人事の失敗による国政失敗の責任は、人事権者である大統領にある。誤った人事を正し、国政失敗を挽回できるのも大統領だけだ。盧大統領が今からでも、大統領府と内閣の不適切な人々を断固更迭し、多くの国民が信頼できる適材適所の人事に幅広く成功するなら、国政の成績が改善され、大統領に対する評価もかなり変わるだろう。

今回の外交安保チーム改編で、単なる席の交代ではなく、大々的に人物交代をしなければならない理由もこのためだ。またコードにとらわれたり、中途半端な人事をしたりするなら、外交安保政策の失敗を挽回する機会を逃してしまう可能性が高い。

大統領の「人事権」は、「自分勝手に人事をする権限」という意味ではない。主権在民の憲法精神に則って、国民の意思に符号する人事をしなければならず、窮極的に国利民福に寄与しなければならない。現政府になって起こった外交安保、教育、経済などのすべての国政分野での政策の乱脈ぶりは、かなりの部分が人事乱脈から始まり、盧大統領の歪んだ人事観がその先行原因であることを大統領自ら認める必要がある。

政策の失敗が明確に現われたなら、大統領であれ長官であれ、過ちを正直に認めることも勇気であり、国民に対する道理である。しかし、北朝鮮の核開発を阻止できず、韓米関係を弛緩させた外交安保政策の当事者からは、そのような姿を見ることはできない。

李鍾奭(イ・ジョンソク)統一部長官と尹光雄(ユン・グァンウン)国防長官は辞意を表明しながらも、自分たちの過ちを認めなかった。特に李長官は、「北朝鮮政策の遂行過程で大きな過ちがあったとは思わない」と述べ、まるで自分が政争の犠牲であるかのように包装した。また「北朝鮮への包容政策が収めた成果に確信を持っている」と強弁した。李長官は、大統領が考える「包容」とも異なる方向に政策を導き、自分の勢力を中心に情報を独占し、関係省庁と頻繁に摩擦をもたらしたりもした。

国民は、何が誤りであるか分かっているが、いざ過ちを犯した側からは、「私のせいです」と言う人がいないのは、一言で言って責任意識がないためだ。この機に、不必要な言行で物議をかもした宋旻淳(ソン・ミンスン)大統領外交安保政策室長と、突出言動に加え、優柔不断な不動産政策発表で市場の混乱を招いた秋秉直(チュ・ビョンジク)建設交通部長官のような人物も、思い切って交代しなければならない。

宋室長は、「人類史上、戦争を最も多くした国が米国だ」という発言で韓米関係を悪化させた張本人だ。彼の言葉にラムズフェルド米国防長官は、「彼が言った米国の戦争の中には、約3万人が戦死し、約10万人が負傷した韓国戦争も入っている」と反論したという。血を分けた同盟国間にあってはならない発言が行き交ったのだ。その宋室長を新任外交部長官に座らせる場合、米国が果してどう思うだろうか。韓米関係を修復する意思があると考えるだろうか。

盧大統領は今からでも変えることは変え、責任を問うことははっきりと問う勇断を下さなければならない。任期が1年4ヵ月も残っているのだから、間違いや失敗を挽回する時間はある。大統領本人のためにもそうであり、国民のためにもそうしなければならない。変化の姿を見せるなら、今の危機がむしろ災い転じて福となる機会になり得る。