「日本政府が、大量破壊兵器の開発と関係がある北朝鮮の１６の企業および個人に対して金融制裁を行なったことは、とりあえずの「序の口」にすぎない。今後、日本政府がこれらの企業と関係する韓国企業のリストまで発表すれば、（日本と）韓国企業との金融取引も制限される恐れがある。」
日本政府の主要シンクタンク・国際金融情報センターの特別研究員のユン・ミンホ（５１）博士は１９日、東亜（トンア）日報とのインタビューで、「韓国政府が今のように対北朝鮮政策を続ければ、米国や日本だけでなく中国からも『のけ者』扱いされる可能性が高い」と憂慮した。
また、「韓国政府はちゃんと公開していないが、韓国が金を与えて北朝鮮が核兵器を作ったという点は、多くの経済状況が立証している」と主張した。
最近ユン博士は、国際金融情報センターに「制裁を受ける北朝鮮企業の実態」という内容の６ページの報告書を提出し、韓国に一時帰国した。
日本の国際金融情報センターは、日本の主要金融会社や企業、関連政府省庁の対外金融業務にかなりの影響を及ぼす。１９９８年には、世界３大格付け機関のムーディーズ、スタンダード・アンド・プアーズ（Ｓ＆Ｐ）、フィッチＩＢＣＡの横暴に対抗し、これら機関を格付けしたエピソードで有名だ。世界銀行研究員、東西証券の東京支店長などを経て、１９９８年から国際金融情報センターで、韓半島および周辺国家担当の特別研究員として活動しているユン博士は、韓国人の中で日本内の経済界の気流に精通した人物だという評価を受けている。本紙は、ユン博士に次のようにインタビューを行った。
—日本は、制裁措置を行なった北朝鮮の１６の企業および個人に対する実態分析の報告書を提出したが、このことについて。
「日本政府は先月１９日、北朝鮮のミサイル発射に対する国連安全保障理事会の決議に基づき、北朝鮮の大量破壊兵器の開発計画と関係のある１５団体と１個人に対し、日本内の預金の引き出しや海外送金を許可制にする資産移動防止措置を発動した。しかし、制裁対象者の実体が曖昧で、金融会社で効果的な制裁をするうえでは困難があると判断し、北朝鮮の核実験を機に、これら企業の実態を調査することになった。例えば、これら企業は船舶会社となっていても、実際は兵器運搬と関係のある企業であったりするのは事実だ。」
—制裁対象企業と韓国企業が、関連があると考えるか。
「関連性は十分に高い。一部の宗教集団、さらには大学までが学術交流などの名目で交流しているという情報がある。米国と日本は、形式的に行なった北朝鮮に対する金融および経済制裁を、実戦態勢に切り替えた。韓国が参加するかどうかが、韓米日同盟関係のチェックポイントになるだろう。中国も北朝鮮制裁に少しずつ参加する方向に変化している。韓国が、米日中周辺３国から「のけ者」になれば、どこへ行って助けを求めなければならないのか心配になる。今回、ソウル市内で韓国の大量破壊兵器拡散防止構想（ＰＳＩ）参加への反対デモを見たが、人々が「自分たちの金で作った爆弾が、自分たちの頭上に落ちる状況」を理解していない事実は、驚くべきことだ」
—韓国政府が金を与え、北朝鮮が核兵器を作ったという話か。
「明確な証拠はないが、さまざまな経済状況が立証している。北朝鮮の国民総生産（ＧＮＰ）がプラスになったのは、１９９８年以降のことだ。偶然の一致かどうか分からないが、それは韓国政府が金を与えはじめた時期と重なる。韓国政府は、このようなことをちゃんと公開していない。１９９０年代初めに、豪雨被害や各種災害で崩壊した北朝鮮経済が容易に復旧したのは、まさに韓国政府の援助があったためだという分析がある」
—日本国内の雰囲気はどうか。
「韓国と日本の見解の隔たりはあまりにも大きい。隣国が核兵器を持っているのに、自国が安全かどうかに対する認識があまりにも異なる。日本国民は原爆被害の経験のため、核兵器を持っていても使ってもいけないという強い考えを持っている。当然、北朝鮮制裁に対する韓国政府の態度に不満も多い。しかし不満を示しても、解決されるという期待感がないのが現実だ」
—日本の核武装の話も流れているが。
「日本の核への恐怖感が核武装を促進させるという話だが、時期尚早だ。自衛隊を軍隊に転換する問題も、日本の人口学的問題（出産率低下など）で事実上不可能だ。ただ、既存の体制内で自衛隊を大幅に強化することは米国も積極的に助けるだろう。端的に言って、それは兵器の販売に役立つためだ」
—韓国政府はどうすればいいと考えるか。
「ひとまず生存のために、周辺国との関係定立が重要だ。周辺国の動向を早く察知しなければならない。さもなければ泥沼に陥る。そうなれば手遅れだ」
bae2150@donga.com
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