Go to contents

[社説]正体を見せた政府内の赤化同調勢力

[社説]正体を見せた政府内の赤化同調勢力

Posted October. 18, 2006 03:02,   

한국어

昨年の韓米年例安保協議会(SCM)で、韓国政府が、「核の傘の提供」条項を共同合意文から削除するよう米国側に要請していたことが明らかになった。米国側が、「それなら共同合意文を出さない」と強く拒否したため、韓国側は意志を果たすことができなかったという。驚愕を禁じえないことだ。

韓国政府の提案は、北朝鮮を交渉のテーブルに引き出すための案だったと、関係者たちは説明した。しかし、安保政策当局者たちがまともな精神を持つなら、どうしてこのような発想と行動ができよう。韓国を丸ごと金正日(キム・ジョンイル)集団に捧げようという意図でないなら、理解できないことだ。太陽政策、包容政策の次元を越える利敵行為、または赤化統一のための北朝鮮との共謀行為だと疑念を抱かざるをえない。共産化統一に貢献しようとする五列(敵に同調する勢力)や細作(スパイ)が政府高官になって、反安保政策を牛耳っているのではないのか。さもなければ、安保の「安」の字も「保」の字も分からない非専門家たちが、国を亡ぼすことを臆せずやっているとしか考えられない。

核の傘は攻撃的概念ではなく、防御的概念だ。報復ではなく予防装置である。戦争の火遊びをさせない抑止力、すなわち「韓国は米国の核兵器の保護の下にあるので、北朝鮮は挑発を夢見るな」という牽制装置が核の傘である。それゆえ、これは北朝鮮に向けてはっきりと宣言してこそ效果がある。韓米政府はそのような観点で、1978年から核の傘条項を明文化してきた。これは、1991年の南北(韓半島)非核化共同宣言によって、韓国に配置されていた米軍の戦術核兵器が完全に撤収された後、さらに切実になった装置だ。

しかし、2003年の盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府の発足後、国家安全保障会議(NSC)は、核の傘条項を削除するか、表現を変えるよう主張してきたという。李鍾奭(イ・ジョンソク)統一部長官が、NSC事務次長として外交安保政策を事実上総括した時からだ。「北朝鮮を交渉のテーブルに引き出すため」という主張は、嘘でないなら、無知ゆえのものだ、ソウル大学国際大学院の白珍鉉(ペク・ジンヒョン)教授は、「核の傘を捨てれば、北朝鮮の非核化を誘導できると(本当に)考えたなら、北朝鮮の核計画、政権の本質と実体を分かっていない誤った処理方式だ」と指摘した。

北朝鮮は機会ある度に、韓国に対して核兵器の撤去、国家保安法の廃止、在韓米軍の撤収を要求してきた。赤化統一を妨害する3大要素と考えたからだ。このうち核兵器はすでに韓半島から完全に去り、国家保安法は死文化寸前だ。在韓米軍も2008年までに1万2500人が撤収する。盧武鉉政府の「自主」の叫びは、戦時作戦統制権返還(韓国単独行使)および韓米連合司令部の解体を2009年に繰り上げる状況だ。李鍾奭長官は、北朝鮮が不満に思っている西海(ソヘ=黄海)北方境界線(NLL)の再設定も検討した。

それだけではない。親北朝鮮勢力は全国で横行し、北朝鮮政権の主張をオウムのように繰り返している。にもかかわらず盧政府は知らん顔だ。北朝鮮の反人権状況に対しては口を開かない国家人権委員会は、今年1月、国家保安法廃止勧告案を出した。

いっぽう北朝鮮は、赤化統一を規定した労働党規約、韓国の国家保安法よりも恐ろしい刑法を堅持している。また北朝鮮は、非核化共同宣言と1994年の米朝枠組み合意をあざ笑うかのように核開発を続け、ついに実験まで実行した。

このような状況で、政府が米国に核の傘削除を要求したというのだから、北朝鮮の核の傘の下に入って、全国民をその人質にするという意図としか考えられない。自分は武装解除して、北朝鮮の善意と恩寵を期待するということは、国家安保に責任を負う資格のない者たちの発想だ。蔡命新(チェ・ミョンシン)元在ベトナム韓国軍司令官は、「国家戦略が誤れば、いかなる軍事戦略も無駄になる。南北間の現状況は、南ベトナムが敗れる前夜を想起させる」と述べた。

憲法守護者であり国軍統帥権者である盧大統領は、7月に北朝鮮がミサイルを発射した後、閣議で、李鍾奭長官を「北朝鮮と接触できる最も信頼できるチャンネル」とほめそやした。もはや大韓民国の安危を自ら心配し、対処しなければならない韓国国民は、盧政府内の赤化同調勢力を探し出し、追い出さなければならない段階になった。