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[社説]核実験の翌日に南北首脳会談を取り上げる無骨さ

[社説]核実験の翌日に南北首脳会談を取り上げる無骨さ

Posted October. 12, 2006 07:08,   

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核実験の直後、北朝鮮の朴吉淵(パク・キリョン)国連大使は、「国連安全保障理事会が、ためにならない決議や議長声明を発表するよりも、我々の科学者と研究者を祝福すべきだ」と述べた。同族を人質に「核の火遊び」をしながらも、自慢げな朴大使の映像は、韓国国民の神経を逆なでする。

1ヵ月前には、金正日(キム・ジョンイル)総書記が、「今や、苦労の末に楽を得るようになった」と述べ、核実験強行を示唆する発言をしたという。指導者の水準がこの程度だから、数十万人の住民が餓死の危機にあるにもかかわらず、600億ウォンをかけて、「ミサイル発射ショー」をし、さらに2800億ウォンの「核実験ショー」をするのだ。兄弟国家と言っていた中国までも、「金正日は2歳のヒトラー」と述べ、「懲罰」を口にした。

しかし韓国政府は、核実験翌日の一昨日から、まるで核危機解決の妙策でもあるかのように、「南北首脳会談実施」に乗り出している。韓明淑(ハン・ミョンスク)首相は国会で、「北朝鮮核問題の打開に向け、対北朝鮮特使や南北首脳会談の検討に入った」と述べた。李鍾奭(イ・ジョンソク)統一部長官は、「首脳会談の開催は有用だ」と加勢し、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領も、「核実験後、首脳会談を通じてどのようなことができるのか検討する」と述べた。状況の厳重さが分かっていないという点で、南北指導層はそっくりだ。

北朝鮮への包容政策が破綻した今、最も必要なことは国際協力の強化である。韓国政府が、金正日(キム・ジョンイル)集団を相手に核問題解決の「主導的役割」をするということは、妄想にすぎない。にもかかわらず、「首脳会談を語る時ではない」として断固たる態度を見せるどころか、一斉に「会談カード」をちらつかせる政府の態度は、「自主幻想」の産物か、国際社会の北朝鮮制裁をなんとかして弱体化させようとする「金正日を愛する人々の会」的意識の発露と見るほかない。

「同じ民族」の虚しいスローガンと「アメを与えてなだめる」式の対応では、北朝鮮政権を少しも変化させられないことは、すでに経験済みだ。北朝鮮は、94年の米朝枠組み合意で、軽水炉建設と重油提供の対価に核の凍結を約束したが、濃縮ウラン開発を続けてきた。昨年には、韓国政府が核放棄を条件に、200万キロワットの電力送電など、大規模な経済支援をするといういわゆる「重大提案」をしたが、一蹴して核開発に邁進(まいしん)した。「悪行」に対する補償が大きければ大きいほど、ならず者はさらに乱暴になることは、外交の原理である前に世の真理である。

頼み込んで南北首脳会談が実現したとしても、金総書記の統治資金を含め、莫大な賄賂を与え、北朝鮮の宣伝場だけをつくる格好にしかならない。さらに、北朝鮮の「核の火遊び」は、米国から体制安全の保証を取り付けるのが目標であることは明確だ。北朝鮮が次の手順として、米国に軍縮会談を提案するという観測が出ているのもこのためだ。いわゆる新たな「通米封南」の局面が展開される公算が大きい。そのような点で、北朝鮮がもし南北首脳会談に応じたとしても、それは国際協力を撹乱(かくらん)するという戦術にすぎないと見なければならない。

いくら見る目がないといってもこの程度は分かるはずの盧政府が南北首脳会談カードをちらつかせる意図が、来年の大統領選挙を狙って政治的反転を図ることならば、厳重な国民的かつ歴史的審判を避けることはできない。もはや国民は「首脳会談ショー」にだまされるほど愚かではない。