米国防総省が、在韓米第8軍司令部を2008年までに解体する方針を固めた背景には、戦時作戦統制権の韓国軍への返還前に、在韓米軍の大々的な改編を終わらせるという計算が敷かれている。
パウエル・ベル在韓米軍司令官が28日、ソウル龍山(ヨンサン)米軍基地で開かれた記者懇談会で米第8軍司令部の解体の可能性を示唆すると、韓国国防部は、「これは米陸軍再編の一環であり、戦時作戦権返還とは無関係だ」と説明した。
しかし、米第8軍司令部の解体は、戦時作戦権問題と直・間接的につながった事案だ。ベル司令官が解体の可能性を示唆したことは米国が韓国の「2012年返還案」とは無関係に、独自的に米軍再編を加速化するという意志を表明したものという分析が支配的だ。
▲戦時作戦権問題と連結〓在韓米軍によると、米第8軍司令部は08年までに作戦支援司令部(UEy)への改編が確実視される。これは、未来の戦場に備えた米国の海外駐留米軍再配置検討(GPR)および陸軍再編計画によるものだ。米軍の戦時作戦権移管計画がGPRと密接につながっているだけに、第8軍司令部の解体も戦時作戦権移管計画と無関係ではない。
米国は、すべての米軍を先端兵器と起動性を備えた部隊に変えるために軍の構造を改編中だが、これに伴い、米第8軍司令部を含む陸軍隷下の6の司令部がUEyに改編される。
UEyは、既存司令部よりも広い地域に作戦責任を負う。このため、韓国戦争後は作戦責任が韓半島に限っていた米第8軍司令部がUEyに改編されればハワイに移ることになり、韓国を含む北東アジアの他の地域の作戦責任も負うものとみられる。
▲昨年から解体説提起〓米第8軍司令部の解体説は昨年、米第2師団が未来型師団(UEx)に改編を終えた後で提起されていた。UExは有事の際の増援戦力を含め、5、6個の旅団級戦力を運用する作戦司令部であり、米軍の戦略的柔軟性を象徴する部隊でもある。
陸軍中心の米第2師団が航空戦力を含む独自の戦闘能力を備えたUExに再編され、米第8軍司令部が率いた多くの支援部隊が、米第2師団に吸収された。このため米第8軍司令部は、数百人の要員だけが残った「抜け殻司令部」になってしまった。
ベル司令官が記者懇談会で、「米第8軍司令部はもはや『戦争遂行本部』ではない」と述べたのも、米第8軍のこのような変化を指摘したものだ。
▲在韓米軍指揮体系の改編〓米第8軍司令部が08年までに解体され、09年に韓国軍が戦時作戦権の返還を受ければ、在韓米軍の指揮体系に多くの変化が予想される。
まず、現在の在韓米軍の指揮体系が大幅に簡素化され、在韓米軍司令部は在韓米合同軍司令部(USJFT—K)に変わるものとみられる。また、これまで米第8軍司令部の作戦統制を受けてきた米2軍司令部も、USJFT—Kから直接作戦統制を受ける可能性が高い。
一部では、USJFT—KができればUEyに改編された米第8軍司令部がその下に入り、韓半島の有事の際は、増援戦力の展開と配置任務を担当するという観測も出ている。
軍消息筋は、「第8軍司令部がUEyに変わった後に別途に存在するのか、USJFT—Kの隷下部隊になるのかまだ決まっていない」とし、「第8軍司令部がどのように変わっても、隷下情報部隊とパトリオット・ミサイル部隊のような戦力は、韓国に継続して残るだろう」と述べた。
さらに、戦時作戦権が返還されれば米軍は海空軍中心の支援に力を注ぎ、米第7空軍司令部は09年までに、最新機種の戦闘機やプレデターやグローバル・ホークのような先端無人偵察機(UAV)を備えた韓半島空軍戦闘指揮本部(AFKOR WFHQ)に変わるものと予想される。
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