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[オピニオン]拉致対策本部

Posted September. 29, 2006 07:05,   

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日本の安倍晋三首相(52)は、「しっかり」という表現をよく使う。「確実に」と翻訳されるこの単語を、安部首相は26日の首相就任会見で約40回も使った。「外柔内剛型所信派」らしい発言だ。その安倍首相が、「任期内に『しっかり』決着をつける」と公言した政権課題が、日本人拉致問題だ。

◆2002年9月、平壌(ピョンヤン)での第1回日朝首脳会談の時、官房副長官として小泉純一郎首相(当時)に同行した安部首相は、「金正日(キム・ジョンイル)総書記の拉致問題謝罪なくして共同宣言文に署名してはならない」と主張し、貫徹させた。その後、拉致生存者5人が一時帰国した時も、彼らを北朝鮮に帰さず日本に残留させたことで、一躍スターになった。7月の北朝鮮のミサイル発射も、安倍首相が首相になるうえで「大きな助け」になった。「安倍政権は北朝鮮が作った政権」という言葉が出るほどだ。

◆安部首相は首相就任後、自ら「拉致問題対策本部長」を務めることにし、側近を拉致問題担当に集中配置した。「政治的同志」である塩崎恭久官房長官は、拉致問題担当相を兼任して副本部長を、対北朝鮮強硬派の中山恭子首相補佐官は、事務局長を務める予定だ。腹心である井上義行政務秘書官は、安倍首相が官房副長官の時、拉致問題担当実務者として働いた人物だ。井上秘書官は、04年の第2回日朝首脳会談に先立ち平壌を訪問し、拉致問題解決を調整した。

◆安倍首相の対北朝鮮強硬の歩みが政治的短命を早めるかもしれないという観測もある。北朝鮮が金総書記の「告白」として「拉致問題は解決された」と主張するだけに、これ以上得るものがなく、葛藤だけが深まるという展望のためだ。来年夏の参議院選挙で自民党が敗れるという観測も優勢だ。「米中央情報局(CIA)が、ブッシュ大統領に安倍政権の短命を予測する報告書を提出した」という報道も出ている。問題は韓国政府だ。対北朝鮮観の相違が韓日葛藤の根だが、このような安倍政権と果たしてうまくやっていけるのか心配だ。韓日首脳会談が開かれるとしても、認識の相違を縮められるか疑問だ。

李東官(イ・ドングァン)論説委員 dklee@donga.com