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[オピニオン]チョムスキー

Posted September. 25, 2006 07:04,   

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友人を見ればその人のことがわかる。言葉づかいや食べ物の好き嫌い、読書遍歴もそうだ。ベネズエラのチャベス大統領は、「レ・ミゼラブル」と「ドンキホーテ」に感銘を受けたと、ニューヨークタイムズが紹介した。そのためか、民衆のみじめな生活を救済する方法も、ドンキホーテのようだ。チャベス大統領は、ジョン・ケネス・ガルブレイスの「純粋な詐欺の経済学」、ジェレミー・リフキンの「水素エコノミー」も愛読書だ。チェ・ゲバラと毛沢東にもよく言及する。チャベス大統領が「21世紀の社会主義」を主唱するのも理解できる。

◆チャベス大統領は先週の国連総会で、ノーム・チョムスキーの「覇権か、生存か——アメリカの世界戦略と人類の未来」を取り上げ、「20世紀の世界で何が起ったかを知りたければ、この本を読め」と一喝した。「世界戦略を追求した米国はテロリスト国家だ」という内容だ。このおかげで同書はインターネット書店アマゾンで販売順位が2万664位から2日で1位になった。チャベス大統領が、「チョムスキーに生前に会えなくて残念だ」と言ったため、チョムスキー家には確認の電話が殺到した。

◆77歳で健在のチョムスキーは、怒るどころか「私の本が好きだと言ってくれて嬉しい」と話したと、外信が伝えた。「チャベス大統領の政策は建設的なので、とても関心を持っている」とまで言ったという。韓国では、本当に「米国の良心」「実践的進歩的知識人」に数えられるチョムスキーの言かと疑う。ロサンゼルスタイムスは、チョムスキーを「米国左派のアイコン」と表現した。進歩的新聞とされるニューヨークタイムズは、「断言するが、いまその本を買う人は最後まで読まないだろう」と述べた。

◆左派の偽善を攻撃した本「私の言うままにせよ——行うままにはせず」は、チョムスキーが、米国防総省を地球上で最も危険な機構だと攻撃しながらも、国防総省から数百万ドルの研究資金を受け取り、85万ドルの邸宅に住む金持ちだと主張した。資本主義と米国の恩恵は心置きなく享受しながら、なぜ反米と反資本を叫ぶのかという問いに、チョムスキーは、「それなら、よりよい社会を作ろうという努力をするなということか」と反問する。韓国でも最近、チョムスキー風の発言はしばしば聞こえる。

金順徳(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com