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「包括的接近」は遠い目標、金融制裁に6者復帰まで

「包括的接近」は遠い目標、金融制裁に6者復帰まで

Posted September. 16, 2006 03:50,   

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韓米首脳が北朝鮮を相手に推進することにした「共同の包括的接近案(common and comprehensive approach)」の主な目標は、北朝鮮を6者協議のテーブルに再びつかせることだ。米国の対北朝鮮金融制裁問題と9・19共同声明履行案の主要課題を一つにまとめて、金融制裁に集中された米朝間の緊張の度合いを和らげることだ。

北朝鮮は「先に金融制裁を解除し、後に6者協議に復帰」を主張するが、米国は「6者協議の中での金融制裁議論」を要求し、接点を見つけにくい現状況を打開してみるというのだ。

しかし、米国、日本との協議を経て、中国、ロシアと意見の接近を見ても北朝鮮が応じない場合、この案は無用の物になる。

▲遠い目標〓韓国政府は、「北朝鮮の核放棄→北朝鮮への軽水炉提供」「北朝鮮の核廃棄措置の開始→北朝鮮へのエネルギー提供」など、9・19共同声明の履行手続きを北朝鮮の口座が凍結されたバンコ・デルタ・アジア(BDA)銀行に対する米国の制裁問題と一緒に段階的に解決していく案を米国と協議している。

ここには米国が条件付きで、BDA銀行の制裁を緩和させるだろうという前提が敷かれている。そうしてこそ、北朝鮮が6者協議に復帰する名分が作られるからだ。

韓国政府は今月末まで、米国、日本と合意した後、中国、ロシアとの協議を経て、最終的に決定された案を北朝鮮に提示する方針だ。この過程で米朝2国間接触もできるだろうというのが韓国政府の期待だ。北朝鮮が最近、中国を通じてこの案の概要を伝え聞き、肯定的な反応を示した兆候を確認したという。

しかし、北朝鮮がいつでも同構想を拒否する可能性を排除してはいない。米国の政策原則上、北朝鮮が要求する金融制裁の解除をそのまま受け入れることはできないのが現実であり、北朝鮮もBDA銀行に凍結された2400万ドルのうち「一部」だけ返してもらうことを受け入れるという方式の譲歩をしなければならないが、北朝鮮がこれを簡単に受け入れるだろうか、とのことだ。

また、米国は包括的接近案を巡る議論とは別に、対北朝鮮圧力措置を引き続き実施する方針であるため、北朝鮮がこれに反発しかねない。もし、北朝鮮がまたミサイルを発射するか核実験に踏み切ることになれば、韓国政府の構想は水の泡となる。

▲包括的接近案の推進経緯〓 宋旻淳(ソン・ミンスン)大統領統一外交安保政策室長と千英宇(チョン・ヨンウ)外交通商部・韓半島平和交渉本部長は最近、米国、中国、日本を訪問し、この案の詳細内容について調整を行った。

中国は、先月末に中国を訪問した宋室長が具体案を説明すると「こういうことまで推進しようとしているのか。これは難しい」という反応を見せる場面もあったという。

今回の韓米首脳会談直前に、米国ワシントンで、潘基文(バン・ギムン)外交通商部長官と宋室長がライス米国務長官とスティーブン・ハードリーホワイトハウス安保補佐官と「2+2会合」を行って、この構想について話し合うことになったのは米国側の要請によるものだった。これはライス長官が同構想の推進にかなり積極的に出た結果だというのが韓国政府の判断だ。

最初、この案の英文は「common and broad approach」だったが、議論の過程で「common and comprehensive approach」に変わった。「broad(広範囲な)」より「comprehensive(包括的な)」のほうが負担が少ないという理由からだった。



gun43@donga.com