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[オピニオン]催涙スプレー

Posted August. 23, 2006 03:23,   

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来月12日から20日、国際通貨基金(IMF)総会を開催するシンガポールは、7月末にデモ鎮圧訓練を行なった。こん棒と水大砲でデモ隊を解散させるのが第一だ。デモは、指定された2ヵ所だけ許可される。暴力デモはもちろん許されない。1964年の人種暴動以来、大規模デモがなかったシンガポールは、韓国と台湾農民のデモ参加の可能性に緊張している。警察当局者は、「都市を守るために、デモ隊の暴力レベルに合った鎮圧能力を備えている」と強調した。

◆テレビのニュースで、韓国デモ隊の海外遠征デモの姿を見る度に、国内での習慣が出るのではないか心配される。昨年12月、香港でも最終日の暴力デモで1000人が連行され、悪名を残した。催涙スプレーを避けて透明ラップを目にはり、こん棒を避けて警察の盾を奪いもした。ネット上で流れるこのような写真は、武勇談の証拠ではなく、恥の素材だ。遠征デモ隊が6月、米ワシントンのデモの時に時間と区域を守ったのは、米国の警察を恐れためだ。

◆韓国では、デモ用品の改良速度もはやい。昨年、蔚山(ウルサン)プラント労組の集会では、2、3メートルの長さの鉄パイプを装着した「手押し戦車」も登場した。1.25メートルの警察官のこん棒は、2.5メートルの竹やり、1.5メートルの鉄パイプの前では、役に立たない所持品に過ぎない。数年間、暴力デモの件数は減ったが、猛烈過激デモが増え、警察官の負傷者が急増した。99年には「無催涙弾」原則とポリスライン(秩序維持線)を、00年には女性警察官を動員した「リップスティックライン」を導入したが、一時的な效果に終わった。

◆警察庁が、「過激暴力デモが発生する場合、催涙スプレーを使って、デモ隊を現場で検挙する案」を発表したのは、時を逸した。7年ぶりに催涙スプレーを再登場させようとするや、全国民主労働組合総連盟や全国農民会総連盟など、お馴染みのデモ団体は、「デモがより過激になり、大きな副作用が生じるだろう」と主張した。しかし、催涙スプレー再使用が検討されるのは、結局は彼らの過激性のためである。法治と国基と市民の生活圏は、暴力デモ隊が追求する価値よりも優位にある。公権力が臆病では国が滅びる。

洪権憙(ホン・クォンヒ)論説委員 konihong@donga.com