政府は30日、ソマリア近隣の公海上で拉致され、117日間抑留されている東遠(トンウォン)水産所属の漁船「628東遠号」の船員25人の解放交渉が29日に妥結され、解放手続きが進められていることを明らかにした。
船員25人は、東遠号船長のチェ・ソンシク氏(39)ら韓国人8と、インドネシア人9人、ベトナム人5人、中国人3人だ。
政府当局者は、「東遠号を拉致した武装集団と書面で合意し、東遠号と船員たちが抑留されていたソマリア・オビア港海上から近隣の公海にすぐに移動されるだろう」と述べた。
同当局者は、「武装集団と合意には至ったが、船員たちと船舶が完全に公海に移動するまでは、100%安全を保障できない状況だ」としつつ、「最後まで慎重に手続きを進めなければならない」と述べた。
AP通信は、ソマリア民兵隊のリーダーが、「東遠号船員の身代金80万ドルが支払われ、解放が成立した」ことを明らかにしたと報じた。
政府と東遠水産は、東遠号が拉致された4月4日からこれまで、船長のチェ氏と電話で話をし、抑留現場の状況を把握していた。また、現地人や現地の韓国人水産業者などを通じて、直接・間接的に武装集団と交渉を行なってきた。
しかし、武装集団が交渉条件を何度も変更し、交渉が難航していた。
政府関係者は、「どの国の政府も、金を目的に自国民を拉致した勢力と身代金を直接交渉しない。身代金を渡したということは、脅迫に屈して拉致行為を続けるための資金を与えたという意味であり、このことについて言及することは適切でない」と述べた。
東遠号の船員たちは4月4日午後、マグロ漁の操業中、ボート2隻に分かれて銃を乱射しながら近づいてきた武装集団8人に拉致された。
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