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家庭のたんす貯金が底をつく 韓国銀行が推定

家庭のたんす貯金が底をつく 韓国銀行が推定

Posted July. 28, 2006 03:45,   

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●底をついた「たんす預金」

韓国銀行(韓銀)によると、たんす預金の最大推定規模は、△00年=1兆ウォン、△01年=1兆6000億ウォン、△02年=1兆7000億ウォンと毎年増えていたが、以後、減少傾向に転じ、04年=3000億ウォンで、昨年は底をついた。

金融会社を利用しにくかった時代に庶民の心強い金庫の役目をしたたんす預金が消え去った理由は何だろう。

まず、実質所得の減少で、消費者たちが家において使うことのできる余裕資金が減ったという分析が有力だ。

音響器機会社に勤めているミン・テヒョン(33)氏。2年続けて賃金が凍結され、生活費以外には余裕資金がほとんどない。先月末には家賃まで滞った。とうとう部屋の床マットの下に1年も入れておいてくしゃくしゃになった非常金30万ウォンを取り出して使ったと話す。

クレジットカードなど現金の代わりに使用できる決済手段が多くなったことから、家にお金を置いておく必要がなくなったのも、一つの要因だ。04年基準で、全体消費支出額の中で現金使用額の割合は4.7%で、1970年以後、最も低かった。

ソウル明洞(ミョンドン)で私債業をする朴某(49)氏は、「このごろ、私債市場でも貸出金と利子納入など現金取引きは、主にモバイルバンキングを利用する」と教えてくれた。

収益率の高い多様な金融商品の登場も、たんす預金がなくなった背景だ。今年6月末現在、資産運用会社のファンド規模は222兆ウォンで、00年末比84兆ウォンが増えた。

家に現金を保管することをはばかる雰囲気も一役はたした。特に20〜30代の若者がたんす預金を忌避する。

専業主婦のカン・ヘヨン(31)氏は買い物をした後残ったお金や副業で稼いだお金が10万ウォンくらいになれば、すぐ預金する。カン氏は、「家にお金を保管すれば、後でどこに置いておいたのか思い出せないかもしれない」と述べた。

●お金がたんすの外には出たが…

家の中にあったお金が外に出たが、お金がきちんと回らず、経済成長にはっきりと寄与できていないという分析だ。

銀行、企業、政府など主要経済主体間の金融および商取引が減少し、お金の流れる速度が鈍くなったからだ。

韓銀は、今年第1四半期(1〜3月)、通貨一単位が商取引に使われた回数は0.799回で、00年代に入ってから、最も少なかったと発表した。この回数は、景気が良い時に多くなり、悪い時は少なくなる。

通貨取引き回数が減ったのは、たんす預金が銀行圏や資産市場に流入した後、動かなかったり、海外資産市場へ流れ込んだりしたからだ。

銀行は、企業が投資をはばかるという理由でお金を金庫に保管しており、資産運用会社は国内よりインドや中国など外国の投資先ばかり探している。

李ジピョンLG経済研究院研究委員は、「機械設備、土木、建築など、韓国の実物経済に流れ込まなければならないお金が、金融市場に留まっている。これは、高齢化が進行中の国で多く現れる現象」と話した。

●有望成長産業に使うべき

経済専門家たちは、たんす預金を生産的な分野に使うためには、銀行が大企業中心の貸し出し慣行から脱しなければならないと指摘した。

現金が豊富で、あえて銀行貸し出しが必要のない大企業の代わりに、お金が必要な中小企業を積極的に発掘しなければならないというのだ。

三星(サムスン)経済研究所のソン・ミンジュン研究員は、「不動産や海外資産に縛られた資金を成長に活用するためには、政府が予算を生命工学技術(BT)や環境工学技術(ET)分野に先に投資し、民間企業の参加を誘導しなければならない」と話した。

慶煕(キョンヒ)大のアン・ジェウク教授(経済学)は「不動産関連規制を緩和し、企業が建設投資に出るようにすれば、(たんす預金を含めた)資金回転が円滑になるだろう」と主張した。



legman@donga.com sanhkim@donga.com