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[社説]民主労総は民生の敵、公共の敵になるのか

[社説]民主労総は民生の敵、公共の敵になるのか

Posted July. 22, 2006 03:12,   

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慶尚北道浦項(キョンサンプクト・ポハン)地域の専門建設会社の労組員たちが、ポスコ本社の建物を違法占拠し、9日後の昨日「投降」したが、今回の事態が残した傷はあまりにも大きい。ポスコは、24ヵ所の工事に支障をきたし、2000億ウォンの被害を受けたという。同社の国際的信頼度や国家信任度の下落など、無形の被害も少なくない。

蔚山(ウルサン)では、現代(ヒョンデ)自動車労組が、先月26日からストを続けている。このストによる生産損失額が1兆ウォンを上回った。現代自労組は、1987年の労組設立以来、1年を除いて19回もストを行ない、スト累積日数323日、累積売り上げ損失が10兆ウォンを上回る。

彼らの背後には、過激で強硬な労働運動を辞さない民主労働組合総連盟(民主労総)がいる。蔚山と浦項で民主労総は、労働運動の正常軌道を脱した手荒な行動を見せた。専門建設会社の労組は、交渉対象ではない元請業者をターゲットにした。前例のないことだ。民主労総の蔚山本部は、地元の商工関係者たちがストに抗議すると、地元経済に打撃を与えるために、類例のない「消費(不売)スト」を行なった。さらに、地方自治体である蔚山市に対し、「韓米自由貿易協定(FTA)に反対せよ」という要求までした。労働運動とは関係のないこのような主張をするなど、「変種スト」を起こしたのだ。

現在、労組加入が可能な労働者約1453万人のうち、実際に労組に加入しているのは10.6%にすぎない。そのうえ、民主労総加入者は約66万8000人で、全体の4.6%にすぎない。民主労総が、全体労働者の代表ではないという話だ。民主労総の過激な政治闘争的労働運動は、経済活動に参加する多数の国民の雇用安定と新たな雇用創出に貢献するどころか、むしろ彼らの労働権の維持と確保を妨害している。憲法に保障された国民の「労働権」をむしろ侵害している。企業が倒産し経済が崩壊すれば結局は自分や家族までも被害者になるという事実を、この「貴族労組」は分からないのだろうか。

今、韓国以外の世界のどこにも、民主労総式の労働運動は見当たらない。グローバル化の進展で、各国は企業の競争力を高めることに邁進している。また、安価で容易に移動する労働力が増え、労組たちは声を抑えている。にもかかわらず、民主労総だけは、工場稼動を止めて街に飛び出すことで、企業の競争力を低下させる。声をさらに高めるために、企業単位ではなく産業別労組の設立にも乗り出している。

この状況になるまで、政府は違法ストとデモに対して口先だけで「厳正対応」を叫び、実際には生ぬるい対応しかしなかった。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は03年、鉄道労組のストのさい、「鉄道労組に対して過度な損害賠償請求は自制せよ」と指示までした。政権発足初期から、企業と労組に誤った信号を送ったのだ。企業も、政府と労組の機嫌をうかがい、違法に目をつぶってきた面がある。そのような点で、「違法を扇動して暴力を行使し、器物を破壊したことに対し、法と原則に則って民事・刑事上の責任を問う」という李龜澤(イ・グテク)ポスコ会長の方針は、評価に値する。必ず貫徹されなければならない。

政府は、今回の事態を機に、違法行為に対しては責任者への法的責任を徹底的に問うなど、法治原則を確固に打ち出さなければならない。企業も、無労働・無賃金原則をしっかりと守り、損失発生に対しては民事・刑事上の責任を負わせることで、「産業現場の秩序」を自ら守らなければならない。社会各界は、国民の力で違法行為を無力化させなければならない。それが「労組共和国」から脱せる国民の自救策である。