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盧政権、放送局ともギクシャク…レームダックの表れか

盧政権、放送局ともギクシャク…レームダックの表れか

Posted July. 18, 2006 03:27,   

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「放送がなかったら大統領になれただろうか」(03年3月4日、KBS創立30周年記念レセプション)

「近頃、放送局のご都合主義または職員の利己主義、労働組合の利己主義が蔓延しているが、それに対してこれといった打つ手がない」(06年7月14日、第3期放送委員の任命状の授与式)

放送に対する盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の態度が冷ややかになっている。就任初期の放送への「賛辞」が、3年あまりで「組織のご都合主義」を批判するなど、露骨なとげとげしい言い方に変わった。

大統領府と政府の関係者たちの批判の度合いも、激しくなってきている。大統領府の関係者たちは、韓米自由貿易協定(FTA)に対する否定的な見方の放送報道について「偏った歪曲報道」(李百萬・大統領広報首席秘書官)と批判した。プライベートな席では、「近頃、放送との関係がギクシャクしている」という言葉もよく口にする。

とりわけ、盧大統領は放送局と放送の労組、放送委員を取り立てて批判している。盧大統領が最近の発言を通じての狙いは、△FTAを批判する放送報道、△大統領の人事権に対する放送労組(KBS)の反発、△大統領の公約事項である放送通信の融合に対する地上波のブレークなどとまとめることができる。つまり、放送に対する総体的な不満をぶつけているわけだ。

▲レームダック?〓放送と政権の対立に対し、盧大統領の「レームダック(任期後半の政権基盤の弱体化)」現象と結びつける見方が根強い。政権と放送が対立する最前線が、盧大統領の任期後半の力点課題であるFTAだということもこのような分析を裏付けている。

現に、FTA関連の放送報道は現政権発足はじめのイラク派兵の際と比較すれば、「隔世の感」を感じるほどというのが放送界のとらえ方だ。

03年10月、民主言論市民連合と言論労組が主催したセミナーでは「KBSの9時ニュースの場合、派兵関連報道8つのうち、7つが賛成を前提に報道している」と指摘された。さらに、04年7月言論改革国民行動が主催した討論会で発表された金ソンイル氏殺害事件関連のKBS、MBC、SBSなど放送3局の報道を分析した結果によると、325件(6月21日から6日間)のうち、金氏の死亡と直決したイラク増派報道は21件だったが批判的な内容は一件もなかったという。FTAと関連した報道とは雲泥の差があるわけだ。

このような変化に対し、与党ヨルリン・ウリ党のある議員は「報道内容と事案の問題であり、レームダックの問題ではない」と言い切っており、野党ハンナラ党の崔球植(チェ・クシク)議員は「レームダックのせいもあるかも知れないが、より本質的な問題は放送がもはや誰も太刀打ちできないほど恐竜化してしまったことにある」と強調した。

▲政府政策に批判的なKBS、MBC〓盧大統領の放送批判は、李首席秘書官と金蒼浩(キム・チャンホ)国政広報処長がKBS、MBCのFTA関連報道を手厳しく非難してから出た。金処長は4日「FTA関連の企画報道をみると、公正性に疑問を提起せずにはいられない」とし、6月4日放映された「KBSスペシャル」のFTA報道について「製作者の政治的な見方を反映しすぎた」と批判した。

MBCの「PD手帳」についても、4日の放送も出ないうちに「横暴に近いものではないか」と非難した。以後、盧大統領はFTA交渉と関連し、国内の広報を強化するように指示した。

MBCのPD手帳は18日、FTAに対する2回目の企画報道を通じ、再反論を繰り広げる予定であるため、溝はさらに深まるものとみられる。

▲大統領の人事権に反発する放送局労組〓盧大統領は14日、放送委員の任命式を行う席で、「批判したり問題を提起したりすることも、民主主義社会に見合ったしかるべきレベルで調節されることが大切だ」と強調した。これは、放送委員会の労組が新委員に対し「情実人事、見返り人事の大統領府を糾弾する」「政界と資本からの独立性と放送事業者に対する中立性を喪失させた史上最悪の人事だ」と決め付けたことに対する不満の表れとみえる。

大統領と放送局の労組との対立は、任期が終了した鄭淵珠(チョン・ヨンジュ)KBS社長の再任反対闘争を通じ、すでに浮き彫りになっている。

▲放送通信の融合と地上波の利己主義〓盧大統領は「社会では放送と通信の区分がなかなかつかないのが現状なのに、国家の制度は2つに分かれているので現実に合わない」と指摘した。このような見方は、地上波が放送と通信の融合でも政策の足を引っ張っているという認識から出たものとみられる。



jyw11@donga.com ecolee@donga.com