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[オピニオン]生物資源国家(M7)の競争力

[オピニオン]生物資源国家(M7)の競争力

Posted July. 11, 2006 03:25,   

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先進7カ国(G7=Group of 7)は、世界の富と貿易を実質的に支配する先進工業国グループだ。1997年にロシアまで組み込み、G8になった。世界経済でこれらの影響力は相変わらず絶対的なものだ。「M7」もある。ブラジル、メキシコ、マダガスカル、コロンビア、コンゴ民主共和国、豪州、インドネシアなど、生物の多様性が売り物の7ヵ国(Megadiversity 7)を指す。G7は世界の富の54%を、M7は世界の生物資源の54%を占めている。妙に一致している。

◆生物の種が未来の資源になりうるということに先に着目したのはM7ではなく、G7だった。先進国は自国の生物の種を分析する研究にとどまらず、主の多様性の高い熱帯雨林地域に先を競うかのように研究所を構え、関連投資を行ってきた。名の知れていない植物からガンの治療剤でも見つかったらそれこそ「大もうけ」になるわけだ。現にアスピリンは柳、心臓病の薬は多年生草のディギタリスから抽出した。ビンカ・ロゼウスという熱帯雨林植物からとったビンクリスティンとビンブラスティンという物質は、白血病患者の治療率を高めた。

◆生物資源は未来の食糧問題の解決にも一筋の希望だ。米、麦、とうもろこしのような農作物はいずれも収穫量の多い単一品種であるため、新種の病気が広まると被害規模は甚大なものだ。1960年代に銹病菌のせいで世界的に麦の生産が危機に直面した際、学者たちはトルコ産の野生麦から抽出した遺伝物質を利用し、この病気を撲滅した。米国のアイダホ州アバディンにある米国農業研究サービス国立小粒子穀物コレクションが、4万3000種の野生穀物の標本を保管する理由もうなづける。

◆生物資源の保存と遺伝子解析が国家競争力の不可欠な要素と位置づけられている。しかし、同分野で韓国は立ち遅れている。政府は最近になって重い腰を上げて国家生物資源情報を集め、データベース(DB)で構築すると打ち出した。自国の生物資源さえ守れなければ、韓国産牛の遺伝子情報登録に先手を打ったどんな国でも韓国産牛を自国産のものだと言い張っても先を越された韓国は泣き寝入りするほかない世の中になった。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com