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[社説]政府の意志試される韓米FTA反対の「総決起」

[社説]政府の意志試される韓米FTA反対の「総決起」

Posted July. 10, 2006 03:03,   

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韓米自由貿易協定(FTA)の2回目の本交渉が今日から5日間、激烈な反米デモとゼネストが予告されているソウルで開かれる。いわゆる「韓米FTA阻止汎国民運動本部」は、労動者、農民、そして左派市民団体の「反世界化のエネルギー」を総結集させて、FTA交渉そのものを座礁させる計画だという。両国間の利害関係が複雑に絡み合っている交渉を控えて、戦略的な対応をすべき時点に、「無条件反対」の掛け声ばかり聞こえているのだから、交渉の先行きが不安だ。

今回の交渉を有利に持ち込むためには、部門別に緻密な点検と戦略駆使が必要だ。米国貿易代表部(USTR)は知的財産権、製薬、農産物、医療装備、製紙、ゴムなど、自国業界の声に耳を傾けながら交渉に備えた。韓国は激烈な反対勢力のため、2度の公聴会さえ開けなかった。

韓米FTAによる働き口の減少を懸念する米国労働総同盟・産業別組合会議(AFL—CLO)代表団もソウルに来たが、彼らと連帯闘争をしようという労働界の考えも理解し難い。民主労総は12日、交渉阻止のためのゼネストを展開する予定だ。それには、平沢(ピョンテク)米軍基地拡張反対デモの先鋒に立った「竹棒勢力」も参加するという。韓国の反米・左派勢力がFTA交渉を機に総決起する様子だ。状況がこのように拡散したことには、左派暴力デモの拡大再生産を傍助した政府の責任が大きい。

政府は市場開放に不安を感じる人々を説得しようとする努力を、見せもしなかった。貿易依存度の高い経済構造で、FTAを通じた米国市場の開拓は、持続可能な経済成長に必須の戦略だ。古い理念に足を引っ張られ、ためらっている余裕はない。今回の交渉は政府が動揺せず、FTAを推進する意志を持っているかどうかを試す試金石になるだろう。

暴力デモと不法ゼネストで交渉が霧散すれば、「世界化に反対するイメージ」ばかり広く宣伝する格好になる。安保状況の悪化で国家信任度にひびが入ったところに、韓米FTA交渉まで座礁すれば、韓国は世界各国の投資・貿易パートナーとしての魅力をさらに失うことになるだろう。