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韓国軍の防空体制は40年経った「古物」

韓国軍の防空体制は40年経った「古物」

Posted July. 07, 2006 03:28,   

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北朝鮮ミサイル発射事態を機に、韓国軍の対北朝鮮ミサイル防衛能力がかなり劣っているのではないかという批判が提起されている。

5日、北朝鮮が発射した7発のミサイルのうち「テポドン2」を除く6発は、射程300〜500キロのスカッド・ミサイルと1200〜1500キロのノドン・ミサイルといった短・中距離ミサイルだ。

特に、北朝鮮が約600機以上を独自に生産・保有したとされるスカッド・ミサイルは韓国全域への打撃が可能であり、休戦ライン付近に集中配置された北朝鮮軍の長射程砲とともに、韓国にとっては最大の脅威要素だと軍当局は分析している。

またスカッド・ミサイルは在来式弾頭だけでなく化学弾頭まで装着が可能で、有事のさい、韓国軍の主要戦略要衝地や人口密集地域を大規模に破壊する能力を有するものと分析されている。

したがって、北朝鮮が今回発射したミサイルのうち、ほとんどがスカッド・ミサイルとノドン・ミサイルだということは、韓国に短・中距離ミサイルの脅威を実感させようとする意図があると、専門家たちはみている。

軍当局によると、ソウルから120キロ離れた北朝鮮の新溪(シンゲ)基地からスカッド・ミサイルを発射する場合、ソウル=3分30秒、水原(スウォン)=4分20秒、原州(ウォンジュ)=4分50秒、江陵(カンルン)=4分53秒で到達するものと予測される。

しかし、このような北朝鮮のミサイル脅威に対し、韓国軍が実質的な対応能力を保有できていないのが現実だ。

陸軍が保有するナイキ地対空ミサイルは、導入以来40年が経った古い機種で、98年12月に仁川(インチョン)基地で発射システムの故障で暴発事故を起こし、99年には忠清南道(チュンチョンナムド)の大川(テチョン)射撃場で発射実験直後に空中爆発を起こした。また昨年11月にはトラックに積んで移動中だったミサイル推進体がトンネル内で爆発し、あわや大惨事になるところだった。

国防部は寿命に達したナイキ・ミサイルを交換するために、1兆1000億ウォンの予算を投入し、来年にドイツ製中古パトリオット(PAC2)ミサイルを導入する計画を推進中だ。

しかし同事業も、数年間予算問題で進んでいないうえ、PAC2では、北朝鮮の弾道ミサイルに対する迎撃能力が不十分だという分析も出るなど、論議を呼んだことがある。

昨年、空軍が作成した内部報告書によると、ドイツ製中古PAC2は、北朝鮮のスカッド・ミサイルなどに対処するには、性能が不十分であることが分析された。また、米会計監査院(GAO)の資料によると、PAC2の弾道ミサイル命中率は55%とされている。

軍のある関係者は、「在韓米軍は03年、北朝鮮の弾道ミサイルの脅威に備えて、既存のPAC2を新型パトリオット(PAC3)ミサイルに交換した」とし、「今回の北朝鮮ミサイル事態を機に、対北朝鮮防空網の強化に向けた後続対策論議が加速化するだろう」と述べた。



ysh1005@donga.com