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混乱深まる資産運用業界、共倒れの恐れも

混乱深まる資産運用業界、共倒れの恐れも

Posted June. 29, 2006 03:21,   

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「このままでは、つぶれる資産運用機関が出るかもしれません。投資家の信頼を失い、大量の買い戻し(中途解約)が始まれば、業界全体の共倒れにつながりかねません」(資産運用機関関係者)

超短期の金融商品であるマネー・マーケット・ファンド(MMF=money market funds)市場が混乱に陥っている。

わずか15日(取引日基準)間でMMFから13兆ウォン以上の資金が引き上げられた。資産運用協会によると、7日、78兆1260億ウォンだったMMFの残高は27日、65兆850億ウォンに急減した。

顧客の買い戻しに応じるため、諸会社が債券の売却に走ったことで、譲渡性預金(CD)などの短期債券の価格が暴落した。

価格の暴落で不安になった投資家はまた買い戻しを要求し、そのため、さらに債券価格が急落するという悪循環が繰り返されている。

殺到する顧客の買い戻し要求で、2兆ウォンあまりのMMF残高が底をついた会社もある。MMFから流出した資金を獲得するため、ライバル社に不利な情報を流す会社もあり、「商道徳まで失われている」という指摘もある。

MMF市場の混乱が、3年前のカード社の社債問題のように、資産運用業界への不信につながり、金融市場全体を揺さぶりかねない、という懸念の声もあがっている。

●MMF騒ぎの背景は投げ売り心理

MMF市場の混乱の原因のうち目立つのは、来月から施行される「翌日買収制」である。

この制度が施行されれば、MMFに預けている資金の基準価格は、現在のように当日ではなく、購入翌日の債券価格となる。こうしたほうが市場の健全性を高めるうえでプラスになるという理由からだ。

問題は、こうなれば顧客は1日分の利子を受け取れなくなるため、利回り率がやや下がる。また、会計処理もいくらか複雑になる。

しかし、これが最近のMMF騒ぎの主因とみるのはためらわれる。

混乱の最も大きな原因は投げ売りというのが専門家らの共通した指摘だ。金利のさらなる引き上げ(債券価格の下落)が見込まれていることから、そうでなくてもMMFから手を引こうとしていた法人顧客が「翌日買収制」の施行を控えた時点で巨額の短期資金を引き上げ始めたというわけだ。

顧客が買い戻しを要求すれば、資産運用機関は保有しているCDなどの短期債券を売り、顧客に資産を返還しなければならない。買い戻し要求の集中でCDなどを売却するための売り注文が急増し、そのため、債券価格をさらに下落する悪循環が続いている。

●ライバル社を叩くためのデマまで

MMFは、いつでも資金を預けてまた引き出すことができる出し入れ自由の商品である。法人顧客は超短期の余裕資金を運用する時に購入するケースが多い。

現に、債券価格が急落し、買い戻し要求は増えたものの、引き上げられた資金の運用先は誰も知らない。そのため、その資金を取り込もうと、資産運用各社が「血生臭い戦い」を繰り広げている。

市場では、ライバル社をけなしたり叩いたりするためのデマが飛び交っている。

「A社は買い戻し要求がこれ以上増えればつぶれる」とか「B社の顧客なら、損失を最小限にとどめるため、ただちに手を引くべきだ」など、様々なデマが流れている。

しかし、相対的に買い戻しが集中している資金運用機関のほとんどは、運用商品に占めるMMFの割合が高くない上、ファンドの運用をうまくやっている大手会社である。

ある投資信託会社のファンドマネージャーは、「もともとこの市場は、ある会社がつぶれれば、その会社の資金を取り込んだ会社が成長するという特徴がある」とし「自分が生き残るために他社を倒そうとする試みはさらに増えるはず」と述べた。

また他のファンドマネージャーは、「悪宣伝を利用して当面はいくつかの会社は成長するかもしれないが、資産運用業界全体への信頼が失われれば、顧客の買い戻しはさらに増え、やがては共倒れすることになるだろう」と懸念した。



roryrery@donga.com