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広告・流通業界と旅行・観光業界 W杯の明暗

広告・流通業界と旅行・観光業界 W杯の明暗

Posted June. 26, 2006 07:49,   

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サッカーの2006ドイツ・ワールドカップ(W杯)の決勝トーナメント進出を決める韓国チームの予選最後の試合であるスイス戦で0−2で韓国が敗退した直後の24日午前、KTFのテレビコマーシャルには、韓国選手らが肩を落として競技場を出るシーンに「申し訳ありません。合わす顔がありません」という字幕が流れている。

続けて、「レッドデブルス」が拍手を送りながら激励の喊声を上げるのシーンに「大丈夫です。あなたは私たちの永遠のチャンピオンです」という字幕が流れていた。

もし、韓国が決勝トーナメント進出を決めたならば、広告は「誰が我々のシュートの決定力は低いといったのか、誰が我々の守備は弱いといったのか。我々には4800万の赤い喊声がある」になるはずだった。

KTFは勝利、敗退のシナリオを想定して二つのコマーシャルを事前に作ってあったからだ。

第一(ゼイル)企画の金・テヘ広告企画局長は、「勝利を喜ぶ広告を流せたらと思う。もう広告効果は期待できないのでは、、、非常に残念だ」と話している。

広告業界は、韓国との試合相手に合わせて広告を変えたり、ユニークなシリーズ広告を流したりすることで宣伝効果を高めていた。

決勝トーナメント進出の失敗でW杯のフィーバーぶりが冷めたことで、W杯・マーケティングを広げた業界の明暗が分かれている。

●泣き面の流通業界

過去例をみない好況だった流通業界は失望感を隠せない。

特に、ソウル広場と光化門(クァンファムン)での大規模な街頭応援で「嬉しい悲鳴」を上げていたコンビニエンスストアが打撃を受けている。

コンビニエンスストアのGS25は、大規模の応援が行われた周辺の46店舗の平均売上高が、韓国戦のあった日は5倍程度増えたと推計している。ソウル広場近くの徳寿(トクス)店では、韓国対トーゴ戦(13日)時は当日の売上げが2500万ウォン、スイス戦(24日)時は3300万ウォンと日常より10倍以上の売上を上げている。

ホームショッピング業界も同様の状況だ。普段なら1時間当り3000万ウォン程度の午前2〜5時の放送時間帯の売上げが、韓国戦がある日は10倍以上になるからだ。

レッドデブルスのロゴ入りのTシャツを販売している衣類メーカは在庫消化に悩んでいる。ベーシックハウスのソ・ヨンジン広報担当は、「売れ残りを社会団体に寄付するか、安値で販売するか頭をかかえている」と話している。

●喜ぶ観光、文化業界

一方、観光、文化業界は嬉しいという本音を隠せない。

W杯という直撃弾で一番苦しんでいたのが観光業界だ。

旅行代理店の関係者は、W杯本選が始まってから旅行会社別に来韓する外国人観光客が20〜40%減少している、アジアで決勝トーナメントに進出した国がないため、外国人観光客が平年並みになると期待している。

文化産業も活気を取り戻している。

公演界は韓国の決勝トーナメント進出失敗に「ほっとした」という雰囲気だ。

ネットによる公演チケットの販売をしているチケットリンクは、W杯本選が始まってから、ミュージカル、演劇の前売率が20〜30%ポイント減少したと推定している。

来客数の減少したため映画館内での応援を行うなど、一時「本業を離れていた」映画館も活気を取り戻している。

CJグループのCGV関係者は、W杯のため封切りをみおくっていた映画もある、W杯の熱気が冷め、夏休みが始まったので例年並になると期待していた。

映画界は、2002年韓日W杯時は40%も来客が減ったが、今年は10%台と予想より影響は少なかったと推計している。W杯期間中、新刊の発行を大幅減らしていた出版業界も日常に戻るとみられる。

●決勝トーナメント進出時の経済効果は無に

現代(ヒョンデ)経済研究院と韓国経済研究院は、韓国が決勝トーナメント進出すると約16兆ウォンの経済効果が生じるという見通しをまとめていた。

W杯の公式スポンサー、参加メーカのブランド力の上昇、三星(サムスン)、LGなど大手企業の認知度の上昇、企業のマーケティング費用の節約、輸出上昇効果、国家イメージの向上等を含めると16兆ウォンの効果が期待できるということだ。

朴ジェハン第一企画ブランドマーケティング研究所長は、「欧州市場への進出が活発でない韓国企業にとっては、2006ドイツW杯はブランドイメージを上げる絶好のチャンスだったのに、残念だ」と話している。