Go to contents

[オピニオン]性転換者の戸籍

Posted June. 23, 2006 04:06,   

한국어

英語のセックス(sex)とジェンダー(gender)は日本語に翻訳すると同じく「性」になる。いずれも男女の差異を表す言葉だが、概念はだいぶ異なる。セックスが性染色体による生物学上の性を意味するのに対し、ジェンダーは精神的・社会的に形成された認識上の性を意味する。ところが、生物学上の性と認識上の性が一致していない人も珍しいながら存在する。「イヴになったアダム」として有名な芸能人のハ・リスもその一人だ。ハ氏はXYの性染色体を持つ、生物学上では完全に正常な男性だ。しかし、ハ氏は自分を男と考えたことは一度もなかったという。いつも女の子と一緒にままごとなどをして遊んでいたハ氏は、高校2年の時、性転換手術を決意したという。

◆医学界では、生物学上の性と認識上の性の不一致を性転換症(transsexualism)という。自分の生物学上の性について継続的な不快感を感じ、自分は反対の性に属していると確信し、この確信に基づいて考え、行動する人は性転換症と診断される。大韓医師協会は、韓国でも約5000人が性転換症であるとみている。すでに性転換手術を受けた人も300人を上回っていると推定される。

◆性転換に対する諸外国の取り組みは二つに大別される。ドイツやスウェーデンは、特別法を制定し、性転換者の法的問題を解決している反面、英国、フランス、日本は、裁判所の判例に従っている。韓国は後者に属する。スウェーデンは1972年「特別な場合における性の確認に関する法律」を制定した。ドイツは「人間の性は先天的なもので変えられない」という立場をとっていたが、基本権の侵害に当たるという連邦憲法裁判所の決定を受け、1980年、スウェーデンと同様に特別法が作られた。

◆昨日、最高裁判所は性転換者の戸籍上の性別訂正を認める初めての決定を下した。女性から男性になるための性転換手術を受けたAさんが戸籍上でも「男性」になるのだ。これまでこの事件に対し、一審と二審では「性転換は整形手術でしかない(性別の訂正を認めない)」、「精神的・身体的な変化を認めるべき(訂正を認める)」と、相反する判決を下していた。最高裁は性転換者の幸福追求権のほうに重きを置いた。

宋大根(ソン・デグン)論説委員(dksong@donga.com)