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[社説] 民主主義の敵、「選挙テロ」の衝撃

[社説] 民主主義の敵、「選挙テロ」の衝撃

Posted May. 22, 2006 03:01,   

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地方選挙の遊説中に、あってはならない事件が起こった。野党ハンナラ党の朴槿恵(パク・グンヘ)代表が一昨日、ソウル新村(シンチョン)の街頭遊説中に襲撃を受け、ほおのあたりを60針も縫う手術を受けた。医療陣が顔の神経の損傷を心配したほど、傷が深いという。このような「選挙テロ」は民主主義を脅かす蛮行であり、野党第1党の指導者が狙われたことは、非常に衝撃的だ。

警察はひとまず、前科8犯で14年間服役していた犯人が、社会への不満のために犯行におよんだようだと明らかにしているが、偶発的な事件とみるには釈然としない部分が多い。社会への不満の表出なら、強いて野党第1党の女性代表を標的にした理由が説明されない。そのうえ、カッターを振り回した犯行に続いて、他にも殴りかかった者がいる。与党ヨルリン・ウリ党を定期的に支援する期間党員だというが、当時、一度に3、4人が飛びかかったという目撃者も出ている。

検・警合同捜査本部が設置されただけに、犯行の動機と背後などを徹底的に明らかにしなければならない。警察庁長官が、酒に酔った偶発的な犯行だと言っていたのを撤回した点や、通報後30分も経ってから警察が出動した点も、究明の対象だ。

むろん、速断は警戒しなければならない。政治的に同事件を利用しようとしてもいけない。これを阻止するためにも、捜査を迅速かつ徹底的に進めなければならない。何よりも、投票日までに真相を明らかにし、誤った判断で選挙に影響を与えることがないようにしなければならないだろう。

今回の事件で、要人警護の問題点もあらわになった。警察庁の警護規則には、大統領、首相、国会議長、最高裁判所長官は、警護対象として規定されているが、政党代表は除外されている。野党代表の場合、動静が隅々まで明らかになることを憂慮して、警察の警護を望まない面もある。しかし、現在の警護対象者に劣らない政治的影響力があり、露出度が高い野党第1党の代表は、警察の警護対象に含める必要がある。

韓国は、少なからぬ指導者をテロで失った政治史を持つ。考えが異なるからといって、政治指導者の生命を脅かすことは、国を暗い過去に回帰させることである。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権は、敵味方に分け、憎悪を助長してきた政治行動が、このようなテロを誘発したのではないか、振り返るべきだ。