●「4−3−3」フォーメーション
サッカー韓国代表のディック・アドフォカート監督は、今年に行われた5試合で「4−3−3」フォーメーションを4回採用した。
このシステムは、2人の中央DFを中心に4人の守備がエリアを配分して防御する。このため、相手が多くの攻撃手を配置しても、エリアを分けて対処できるというメリットがある。
しかしDF同士の息が合わない場合には、特定のエリアにDFたちが集中しやすく、そこから穴が生まれやすいという弱みをはらんでいる。中央DFの崔鎮迵(チェ・ジンチョル、全北)選手は「4バッグシステムはエリア防御なので円滑なカバープレーなどが求められ、DF同士の組織力が重要だ」と話した。
このフォーメーションでは、特に逆三角形に配置される3人のMFのうち、下がったMFの役目が重要だ。ギリシア戦での李ホ(蔚山)選手、フィンランドとデンマーク戦の金南一(キム・ナムイル、水原)選手が任されたポジションで、相手のカウンターに優先的にプレスをかけながらも、一方では、守備の空きスペースをカバーすることでバランスを保ち、さらに攻撃にも絡まなければならないため、大変な体力が必要とされる。
●「3−4−3」フォーメーション
「3−4−3」フォーメーションは非常に攻撃的なシステムだ。3人の攻撃手の外にも攻撃ライン近くにいる多数のMFたちまでが攻撃に加わることで、攻撃手の数を瞬間的に増やすには有効な手だ。
しかし攻撃的な色合いが濃く、守備が手薄になりやすい。MFまでもが攻撃に加わって相手エリアに集中している際に、相手がロングパスでカウンターに出る瞬間、中盤のDFが不足する場面を作りかねない。
またサイドDFの数が足りないため、サイドからのカウンターに備える必要がある。1月18日のアラブ首長国連邦(UAE)戦で、相手陣営から出された一発のロングパスに韓国の左DF陣営が簡単に抜かれ、失点につながったのもサイド守備の弱みをさらけ出した場面だった。
このような弱点は、両サイドのMFたちが下り、補ってあげなければならない。両サイドMFはサイド攻撃に加わった後、カウンターを阻止するために直ちに最前線から最後方までを駆け戻らなければならなく、強靭な体力は不可欠だ。
●どのフォーメーションが有利か
韓国は、2002年の韓日ワールドカップ(W杯)で「3−4−3」フォーメーションを組んでベスト4神話を果たした。
一般的に相手が攻撃手2人を立てる2トップなら、3人のDFでも守備で優位に立てる3バッグで対処が可能だが、3人を立てる3トップ形態の場合だと、守備をさらに増やした4バックのほうが有利だ。
問題は現代サッカーの流れで、どのチームも特定フォーメーションに拘らず試合途中にも多様なフォーメーションを変えている、ということだ。2006ドイツ大会G組で韓国と対戦する予定のフランスとトーゴは3トップ、スイスは2トップを好んで採用しているが、各種の変形された戦術を駆使している。
李容秀(イ・ヨンス)KBS解説委員は、「アドフォカート監督はW杯で対戦するチームが多様な戦術を駆使するので、それに対応できる練習をしているものとみられる」と話し、「特定フォーメーションが重要なのではなく、韓国チームが状況に応じて、どういう対処ができるのかが重要だ」という点を強調した。
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