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脱北青少年の現況

Posted January. 31, 2006 03:21,   

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昨年3月、ソウルのある中学校の2年に編入した金ヘギョン(仮名、18)氏は、担任の教師から、驚くべき指示を受けた。

金氏を職員室に呼んだ担任教師は、金氏に数枚のA4用紙を投げつけ、「北朝鮮であったことや北朝鮮脱出の過程で経験したことを書きなさい」と要求したのだ。

04年の入国当時、独房で10日間過ごし、政府合同調査機関で入国の経緯に関する調査を数回受け、「供述」にうんざりしている金氏は、1枚も書くことができず、泣きながら職員室を出た。

結局、昨年9月に学校をやめた金氏は、「韓国では一生、劣等生のレッテルをはがすことはできないようだ。韓国に来たことが後悔される」と話した。

▲学校を離れる脱北青少年たち〓統一部によると、05年現在、韓国に来た脱北青少年(6〜24歳)は、計1887人。99年には33人に過ぎなかった脱北青少年の入国者は、04年には531人、昨年は368人と集計された。

しかし、このなかで、小・中・高校の就学対象者である脱北青少年987人のうち、昨年8月末現在の在校生は432人で、43.7%にとどまっている。特に、01〜05年8月までの脱北青少年のうち、中学生は14.1%、高校生は15.2%が、途中で学業を放棄していたことがわかった。これは、04年の韓国全体の中学生、高等生の退学率0.7%、1.3%に比べ、それぞれ20倍と11倍にのぼる高い数値だ。

脱北関連団体は、彼らのかなりの数が、脱北青少年に対する社会的偏見に適応できず、学校を離れたものと推定している。

実際、最近、国家人権委員会が脱北者500人を対象にアンケート調査した結果によると、「脱北者であるという事実を隠して、学校生活を送っている」が48%、「学校で脱北者だという理由でいじめにあうと思う」が20%にのぼるという調査結果が出た。

▲無対策の政府、放置された脱北青少年〓問題は、このように学校を離れた脱北青少年の多くが、アルコール依存症やゲーム中毒で、対人恐怖症やうつ病になっているということだ。

01年に韓国に来た金ヨンギル(仮名、22)氏は、ネットカフェで3日間、食事もせずにオンラインゲームをし、3日間家で寝てばかりの生活を2年間続けている。

金氏は、「脱北青少年特例入学」で大学に入学したが、学校生活に適応できず、休学を何度もくり返し、現在は学業を放棄した状態だ。

脱北青少年たちの社会適応教育は、統一部ハナ院の学校で受ける3ヵ月の教育がすべて。学校で受ける韓国社会への理解、進路指導相談などの基本的な教育では、学校生活に適応するには不足だが、政府は依然として彼らに対する責任を学校や民間団体だけに任せているのが実情だ。

教育人的資源部の関係者は、「全国194の小・中・高校に在学している脱北青少年は432人で、1校につき2、3人程度にしかならない」とし、「彼らだけのための政策を立てることは難しい」と話した。

これに対し、青少年開発院の吉殷培(キム・ウンベ)研究委員は、「韓国社会に適応できず放浪する脱北青少年への対策は、事実上、ないに等しい」としつつ、「政府レベルで、脱北青少年に対する実態調査を行い、多様な社会適応プログラムを運営しなければ、深刻な社会問題に直面するだろう」と指摘した。



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