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[オピニオン]張成沢

Posted January. 31, 2006 03:21,   

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頑固な子どもを説きふせることができる親は、あまり多くない。成長した子どもが、親が反対する結婚をすると言い張る時は、特にそうだ。北朝鮮の金日成(キム・イルソン)主席もそうだった。「無所不為(できないことは何もない)」の絶対権力をもつ彼だが、長女・敬姫(キョンヒ)が平凡な家の青年と恋をした時、最後には2人の結婚をとめることができなかった。身分の違いを乗り越え、1972年に金主席の婿になった北朝鮮版ラブストーリーの主人公は、金日成総合大学政治経済学科を卒業した張成沢(チャン・ソンテク)氏だ。

◆「体格が良く、ハンサムで、頭のいい男。お姫様が惚れたくらいだ」。1991年、北朝鮮外交官として初めて韓国に亡命したコ・ヨンファン氏は、『平壌(ピョンヤン)25時』という手記で、金敬姫の心をとらえた張成沢氏をこのように評した。実際、彼は、品がよく、歌や踊りもうまく、酒もたしなみ、4歳上の義理の兄の金正日(キム・ジョンイル)総書記の週末「秘密パーティ」にもよく出席していたという。金総書記が最も信頼する人物という話もある。

◆張成沢氏は、金総書記が北朝鮮の後継者になる過程で、親衛隊の役割をした党青年や3大革命小組部部長を経て、95年、党組職指導部第1副部長になった。司法・検察・公安の機能を管掌する強大な地位だ。02年10月には、北朝鮮経済視察団の一員としてソウルを訪問した。「ナンバー2」という見方も多かったが、03年7月以降、公式の席に登場しなかった。「権力欲による分派行為」で、自宅で軟禁されたとか、政治収容所に収監されたといううわさが流れた。

◆そのような彼が、28日、党勤労団体および首都建設部第1副部長として、再び姿を現した。彼の復権は、金総書記の中国訪問(10〜18日)直後に確認され、特に関心を集めた。経済改革と開放の必要性を痛感した金総書記が、側近の彼にこれを任せようとしているのではないか、という観測のためだ。おきあがりこぶしのように再び立ち上がった彼が、中国の不倒翁・頳小平が、かつて、復権後にそうしたように、改革開放の主役になるのか、注目される。

韓起興(ハン・キフン)論説委員 eligius@donga.com